携帯電話に必須となったカメラ機能を用い、モノトーンで表示された正方形の図柄(マトリックス型二次元コード ※QRコードはデンソーの登録商標)を読み込んで、様々な情報を取得するサービスが、あらゆる場所で展開されている。
雑誌や名刺といった紙媒体のほか、街頭看板等にも貼り付けられ、ゼロ年代の新たな広告事業として大きな効果と実績を上げているのだ。
そしてその手軽さや情報を携帯できる便利さを、個人を悼む供養の場所でも利用しようとする試みが開始された。
QRコードの一種、デザインQRでの広告展開を行なっている株式会社IT DesSign(アイティー デザイン)と、墓石販売を手がける石の声株式会社は納骨堂などが確認できる鍵付きスペース「供養の窓」を備えた墓石に、デザインQRを貼りつけたタイプを製作した。
「供養の窓」を開くとデザインQRが見られる仕組みで、故人の親族は墓参りの際、デザインQRからURLを読み取り、故人の画像や動画が記録された指定された携帯サイトにアクセスできる。
石の声と共同で開発を手がけたIT DeSignの坂橋晃司氏は、「お参りする際、故人のお孫さんなどが生前の故人に会ったことがなく、経歴も詳しく知らない場合があると思います。
そういった状況で、故人の生前の映像などをすぐに確認できる利点があります。」とサービスの特長について語る。
お墓に携帯を向けるのは不謹慎ではないかという意見もあったそうだが、「付加価値を付けた、お墓参りの新しいスタイルを生み出すことも重要ではないかと考えました」(坂橋氏)
携帯電話の普及した現代ならではのサービスとして販売に踏み切っているのだ。
4月1日から販売されることが決定しており、消費者がどのような反応を示すのか、気になるところだ。
IT DeSignは、今回の意志の声とのコラボレートのほかに、様々な媒体でデザインQRの展開を進めている。
大学生向けの自転車レンタルサービス「エコチャリ」を運営するバイクオフコーポレーションと提携し、レンタル自転車に企業広告を含んだデザインQRを設置。
また現在は、「中国産ギョーザの問題もあり、食品を管理するラベルとして使いたいとの問い合わせが多くあります。」(坂橋氏)とのこと。
カメラやウェブツールを含んだ小型端末として発展している携帯電話だけに、その利便性を活かせるQRコードの広告展開は、さらに多彩になっていくことが予想される。