社長のための最新・ITニュース 59号 

『Open ID

〜複数の異なるサイトへのログインが同一IDで可能に〜
 米Yahoo!は、現地時間17日、オープンID(Open ID)デジタルアイデンティティフレームワークの和ポートを発表。オープンIDのユーザー数を一気に3倍の3億6,800万に増やすことになった。
 今後はYahoo!のIDでオープンIDのサービスへのログインが可能になる予定だ。

 オープンIDとは、複数の異なるサイトへのログインを、共通する一つのIDとパスワードで可能にする技術。実際のサービスでは、システムの発行したウェブページのURLをIDとし、対応するサービスはそのURLを参照することでユーザー情報を確認できるというものだ。

 オープンIDはセキュリティを強化するための技術ではない。新しいサイトへのユーザー登録が面倒で試さない人などが、ユーザー情報を入力することなくサイトを利用できるようにすることで、新規サービスにも旧来のサイトと同じアクセス条件を提供できる。
 また特別なプログラムではなく、URLをIDとして利用するため、携帯サービスなどでも利用できることも利点だ。
  
 米国では昨年前半から採用サービスが増え始め、AOL、マイクロソフトなどもサポートを表明。
 DiggやグーグルのBlogerが採用している。
 日本でも昨年2がつにOpenID(http://www.openid.ne.jp/)でオープンIDの発行サービスが始まり、ライブドア、ニフティの「アバウトミー」、はてなの「はてなスター」などがサービスに対応している。 
 今回の米Yahoo!の参加はこれまでのユーザー数を一気に3倍にするということもあり、今後の大きな流れを作りそうだ。

 Yahoo!JAPANの対応も予定されており、日本では特に強いYahoo!が参加すれば普及も期待できそうだ。
 オープンIDが見せる未来は何だろうか。
 オープンIDに対応する一つのサービスにユーザー登録をしていれば、ほかのサービスを横断して利用できることが1番のポイントだ。
 とすれば、ユーザーはこれまでのように1つのサービスにとどまることなく、必要なサービスを求めてネット上を移動し始める。

 つまり、魅力的なサービスが提供できれば、いつでもユーザーを獲得できるということであり、これまでのような「ユーザーを集めたところが一番強い」というウェブサービスモデルが成り立たなくなるということでもある。
 グーグルのオープンソーシャルやFace book APIが、数の集まったところにサービスを投入するという旧来のサービスであるなら、オープンIDはユーザーを固定のサービスに縛り付けず、自由にするものであるといえる。
  
 すでにサービスを確立している企業にとっては前者が、新しいサービスを提供し始めた新興企業にとっては後者への参加が適しているだろう。
 百貨店方式に対して、専門店形式とでも言えるだろうか。 
 ニッチなサービスほどオープンIDには合いそうだ。

 逆に、大手サービスは数があるからといって、新鮮味のないサービスを続けたり、ユーザーをないがしろにしていれば、オープンID対応のほかのサービスに移行されてしまうことも起こりうる。
 こうして考えると、オープンIDの普及はサービスの向上に繋がると見てよさそうだ。



東京IT新聞 1月29日 2面

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