社長のための最新・ITニュース 55号 

『IT×生活感

〜ユニデンの【事実】プロジェクト〜

●これからのウェブ対策は企画ありき

 ユニデンという電子機器メーカーがテレビを扱っていることをご存知だろうか。
 1966年にトランシーバーを扱う企業として設立されたが、着手したのはつい先ごろ、2005年から。
 液晶時代らしいスタイリッシュな外観が、効果的な設置広告やトランジットアドの展開とあいまって着実に業績を伸ばしている。
 ただ、ここで注意したいのは、同社の製品は直販オンリーという点である。
 つまり、実物を見て購入するわけにはいかず、勝負はウェブからの誘導と自社サイトの説得力ということになる。

 「ヤフーや日清のバナーが核となってきたが、多聞に漏れず、レスポンスが下がっているという意識はある。
 単にアフィリエイトを貼れば大丈夫という時代は終わり。これからのウェブ対策は企画ありき、でないときついのかもしれない」(同社・市丸氏)
 そしてかく語る同社が、このたび仕掛けたウェブ企画が、テレビのある風景写真をユニデン・ユーザーから募る「事実」プロジェクトだ。

 大手他社が大物タレントを起用し、現実感を消す演出を行なうのに対し、こちらがフォーカスしたのは個人の部屋。
 そして、この不動産広告などに利用される手法が見事なまでのハマリを見せているのだ。

 「触ること以上に分かりやすいものはない。弊社の商品はそれができない以上、どのように説得力を持たせるかについて常に考えている。
 そこで今回、行き着いたのが生活感。あえて業界の逆を行き、実際どのように使われているか、どんなふうに部屋に溶け込んでいるのかを伝えることだけにこだわった」

 なお、作品が採用されると1000円分のデジタルクーポン券がもらえるほか、優秀作品の部屋は抽選でプロのカメラマンによって撮影してもらえ、その場で1万円が進呈されるチャンスもある。
 「総数は明かせないが、なかなかの応募数」だという。
 小額とはいえ、こういったサービスも盛り上がりに拍車をかけているのかもしれない。
 「選考には撮影するプロの人にも加わってもらっている。
基準は≪きれい≫≪汚い≫ではなく、その人の個性に尽きる。それが今回のプロジェクト名でもある≪事実≫を伝えるということ。サイト上から現実の音と絵、そして空気を感じ取ってもらえたらいいのだが…」


●通販の永遠の命題・実物とのギャップ

 いかにして実物とウェブのイメージの間にあるギャップを埋めるかは、通販に課せられた永遠の命題と言える。
 そして「そのため試行錯誤を重ね、常にジレンマを感じる」のも宿命といえよう。
 「ユニデンという会社がテレビを扱っているということを知ってもらうためのチャンス。もちろん、今後も色々な仕掛けを考えているが、まずは今回の試みが来る、2011年へ向けた起爆剤になれば、と考えている」

 ちなみに、同社の液晶テレビは現在、主流となっている32型で10万円(送料込み)を切っており、42型のフルハイビジョンでは業界初となる20万円以下を実現するなど、抜群のコストパフォーマンスを誇る。
 趣味やブランドの好き嫌いにもよるのだろうが、一つの新しい選択肢の一つとなりえる可能性もある。





東京IT新聞 12月11日12より

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