社長のための最新・ITニュース 49号 

『骨伝導音楽歯ブラシ

〜米国で発売1ヶ月で150万本出荷!〜

 今年頭、2007年は人体通信元年にあるかもしれないというレポートをお送りした。
 人体通信とは、ケーブルの代わりに人の体を使ってしまおうという仕掛け。代表的なのは音を鼓膜を通さず、頭蓋骨に直接刺激を与えることによって聞く骨伝導である。
 人体への影響はとうの昔にクリアされ、今年に入ってから、ヘッドホンなどは続々と製品化が進んでおり、一般的に認知され始めている。
 
 そんな中、2008年2月、タカラトミーが骨伝導音楽歯ブラシ“Tooth Tunes(トゥース・チューンズ)”を発売するというニュースが飛び込んできた。
 文字通り、ブラッシング中に音楽を楽しめるこの歯ブラシ、内臓ICに楽曲を収録しており、再生時間は2分間。ブラシを握ったとき、親指があたる位置に再生ボタンがあり、歯磨きを始めると指の圧力で音楽がスタートする。

 しっかり歯に接触していないと音楽が途切れてしまい、逆にいうと歯磨きの目安とされる2分間、きっちり聞き終われば、歯がきれいになっているという寸法だ。
 なお、ブラシ部分には小型スピーカーが内臓されているため、ブラシが傷んでも交換できず、硬さも“ふつう”の一種類となっている。
 
 「歯磨きという行為に遊び心を加える発想は、日本人の若い人にも受けると考えて発売を決定した。アメリカでは主に子供の歯磨き教育用に販売され、発売から1ヶ月で150万本を出荷するヒット商品になっています。」(同社広報)

 価格は歯ブラシとしては、少々高い1,575円。セールスのカギは楽曲になるだろう。
 2月発売のアメリカ版6曲に加え、3月発売の日本版では、踊る大捜査線のテーマソング<リズム&ポリス>やグリーンの<愛唄>、ザ・ブルーハーツの<リンダリンダ>などが決定している。
 「このほか許諾の交渉中のものを含め、定番から話題曲までラインナップを揃えていきたい」

 ちなみに、この商品を開発したのは、アメリカの大手おもちゃメーカー・ハズブロ。タカラトミーのオリジナルではないが、同社としては骨伝導における玩具の可能性をどう見ているのだろうか。
 日本でのお披露目会では、大手広告代理店から好リアクションを獲得するなど、周囲の反響は決して悪くないとのことだが…。

 「正直、おもちゃは家電製品などと違って、一円一銭のコストダウンが商品開発のポイントとなってます。“トゥース・チューンズ”の1,575円という小売価格もマックスまで削ってのもの。こういった世界なので、正直、技術としてもう少しこなれてこないと製品化は厳しいかもしれないです。」

 確かに「面白い発想に結びつくことは間違いない」のだろうが、消費者の購買意欲をかき立てる手ごろな価格設定が必要になる。
 ヘッドホンは1万円を切る製品が出てきた一方で、補聴器などはまだまだお高い骨伝導製品。
 タカラトミーは本製品を来るべき時代へ向けてのヒントになればと考えているようだ。
 



東京IT新聞 10月30日9より

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