社長のための最新・ITニュース 46号 

『初音ミク

〜発売1ヶ月で8,000本出荷と異例の大ヒットソフト〜
 

 クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が、この8月31日にリリースした「キャラクターボーカル・シリーズ“初音ミク”(はつねみく)が、音楽インストルメントソフトとしては異例の売上記録を伸ばし、話題を呼んでいる。  
 
 このソフトは、メロディと歌詞を画面に入力するだけで、自由自在にオリジナルソングを女性の声の合成音で再生し、歌ってくれるもの。
 “初音ミク”とは、声優・藤田咲さんが演じるポップでキュートなキャラクター・ボイスを元に作り上げられた、ボーカル・アンドロイド=VOCALOID(ボーカロイド)の名前。
 得意ジャンルはアイドルポップスやダンス系ポップス、得意な曲のテンポは、70〜150BPM、得意な音域A3〜E5の16歳。身長や体重の設定もある、まさにバーチャル・アイドル歌手だ。
 
 ここまでの話で、「いわゆるオタクという人種にウケているのだろう」と思った方も少なくないと思うが、実は、音楽制作を生業とする人や、同じような先端技術開発者やその関係者にも非常に評判が良く、その売れ行きは、それまでの同社のヒット商品の2倍数の出荷を約一ヶ月で達成したほどだ。

 これだけ売れるソフトの魅力を、企画・制作・広報担当、鈴木渉氏に尋ねたところ、「もともと古くからSFアニメが持っていた未来感を、IT技術の発展によって、より強く感じられうことができる。アンドロイドという設定も時代にマッチしていたのだと思う」との話だった。

 音楽制作関係者から、仮歌を録る際に、人のコンディションに左右されずに思い描いた歌を忠実にコピーしてくれると重宝されているこの技術は、人間の声を元にリアルな歌声の合成音を作ることができる、ヤマハの技術「VOCALOID 2」を活用しており、「VOCALOID」が音声合成的で平坦だったものが、より生の声に近く滑らかに再現する。

 インターネット動画共有サービス・ニコニコ動画から火がついた、と言われている同ソフトだが、同社関係者は、念入りにチェックせず、制作者として反響を楽しみながらその雰囲気・新しい使われ方を見て、今後の機能追加の参考にしている。
 
 今年末に2作目、来年春頃には3作目とすでリリースが予定されているものについても、同じポリシーで制作するというこのシリーズ…。詳細発表に期待はふくらむ。






東京IT新聞 10月10日3より

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