社長のための最新・ITニュース 8

『企業と消費者のITギャップ』

〜英国のネット広告戦略に学ぶ〜
 イギリスの産業連盟(英国CBI)とグーグルが企業500社と消費者500人を対象にインターネットに関する調査を行なった。

 その結果、企業の56%がインターネットは実質的で、革命とも言える影響力を持っていた、と考えていることがわかった。
 また消費者の60%もインターネットは産業に多くの影響を与えた、と感じており、この点では両者間の考えのギャップはない。

 企業がオンラインマーケティングのために、最も一般的に行なった方法はメール。約半数の45%の企業が実施しているとの回答であった。
 しかし76%の消費者は「広告メールは迷惑メールボックスへ直行」と答えている。一生懸命、文面を考え送っても読まれず、すぐに捨てられてしまう傾向が強いようだ。

 また78%の消費者は自分が探しているもの、関係するものの広告にだけ興味がある、と回答した。
 ポップアップ広告【※1】については「イライラする、無視する」(90%)と応えており、予想以上に嫌われていることが判明。
 ポップアップ広告は消費者にとって、マイナス方向の宣伝のようだ。

  また企業はバイラルマーケティング【※2】(8%)、ポッドキャスト【※3】(6%)、ブログ(6%)など、新しい手段を取り入れ始めており、ポッドキャストとブログは、今後3年間で、それぞれ企業の広告ツールの20%を占めるだろうと予想されている。


 インターネットで買い物する消費者は年々増えており、過去3年間で企業のオンライン売り上げは3倍に増えた。今後3年間でさらに倍増、総売り上げの13%を占めるだろうと予想される。

 この時期は、クリスマスプレゼントをオンラインで購入するという人が多く、去年オンラインで購入した人の4人に1人が「去年の倍は購入する予定」と回答。
 一人当たりの今年のクリスマスのオンライン買い物額は、230ポンド(約5万2千円)と予想されている。
 
 こういったインターネット消費行動の急激な変化に、企業はついていけてない感が強い。
 70%の企業がインターネットを使って消費者と接触することを、もっと学ばなければならない、と回答している。
 競合他社よりも有効にネット媒体を活用している、と自信を持って答えたのはたった23%だった。

 英国CBI長官のリチャード・ランバード氏はこう語る。
 ドットコムバブル【※4】がはじけて6年後、インターネットビジネスは本当に変化しつつある。まさに企業は将来の可能性を探っているところで、関連技術に多大な投資を行なっている。」

 
 次々に新しい技術が生まれ、トレンドが変化するインターネット世界。ネットマーケティング手法も、以前と同じでは通用しなくなってきている。ITに関して、企業と消費者の間には溝が出来つつある。
 英国企業ではすでに、消費者とのギャップを埋めることができる、新しいオンラインマーケティングに注目し、投資を行なっているという。
 自社はITに関係ない、と油断していると一気にその溝は深くなり、手遅れとなる可能性もある。日進月歩のITに乗り遅れないで欲しい。

   


                           東京IT新聞 12月14日2面より



※1 ポップアップ広告…webページにアクセスした際、ページから移動するとき、あるいは閲覧中に自動的にブラウザウィンドウが立ち上がり、表示されるweb広告。

※2 バイラルマーケティング…企業の商品やサービスを消費者に口コミで宣伝してもらい、利用者を広げるマーケティング戦略。バイラルとは「感染的な」という意味で、マーケティングの仕組みをウィルスの感染・増殖に例えている。

※3 ポッドキャスト…インターネット上で音声データファイルを公開する方法の一つ。オーディオのブログという位置づけ。

※4 ドットコムバブル…1995年ごろからインターネットが一般に開放され、急激な普及が始まる中、多くのベンチャー企業が現れた。それらの企業は「.com」(ドットコム)を社名にする企業が多かったことからドットコム企業と呼ばれた。ドットコムバブルとは、ドットコム企業をめぐる経済的熱狂のことである。



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