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堀文明の「次のトレンド・コンセプト」13



「食空間をショー・アップする。」

青山のエンターテイメント立ち呑みBAR/SIN CITY.

 青山は246沿いに期間限定で衝撃的にオープンした立ち呑みバーがある。(2005年12月28日閉店)。映画SIN CITY のプロモーションの意味合いを兼ねた様々な演出(テーマ性あるドリンク、映像放映、内装デザイン)もさることながら、このバーの面白さとは、立ち呑みBARというここ1年にわかに脚光を浴びている業態にクラブ的なショーアップされたコンテンツをうまくMIXしているところにある。

 運営は、ageHa@studio coastなど東京最大級のクラブイベントの企画・運営で定評あるマザー・エンタテイメント。そしてプロデュースを担当したのが、モデル、歌手、デザイナー、プランナーとして幅広い活動を展開している野宮真貴さん。

 「映画SIN CITY の中のモノクロームでスタイリッシュな世界をいかに再現するかに傾注しました。」(野宮真貴さん談)という言葉通り店内には彼女のセレクトした商品や映画関連のグッズを展示したエロティックで夢のようなセレクト・ショップ(上部写真)、回転ベッド、檻のディスプレイ、など不思議な世界が展開されている。

 残念なことに12月28日で閉店したSIN CITY。野宮真貴さんプロデュースによる斬新でノスタルジックな店舗のコンセプトを紹介する。



青山の「立ち飲みバー。」

 六本木、恵比寿を中心として、スタンディング・バーの様々な形態がひとつのトレンドとなりつつある。外人客中心のディスコ&クラブ的な業態から、スペインやフランスの小皿料理に主体を置いたバール的な店舗、までいくつかの業態がある。

 いずれも従来のサラリーマン、男性同士客主体の立ち飲み屋とは一線を画し、女性同士客、カップルでも気軽に来店できるのが特徴だ。SIN CITY は、青山では初めての大規模な立ち呑みバー。青山という立地から想定した狙いどおりお洒落なお客様や外人客で盛り上がった。

檻の部屋
檻をイメージした妖艶な部屋。80年代のNYのクラブの雰囲気が漂う。



華やかなダンサーたちのエンターテイメント

 ステージ上で華麗なダンスを披露するのは ageHA@studio coast などでライヴ活動を展開している東京キャ☆バニー。女性だけのパーティー《GOLD FINGER》をはじめ東京の様々なファッション・イベントなどに出演しているボンド・ガールズ。エロティックな衣装でクラバー達を楽しませることについてはピカ一である。

 クラブで遊んだりパーティーに顔をだしている人たちにとつては、普通のクラブ・シーンに登場するダンサーたち。それを、クラブの空間ではなくあえて立ち呑みバーという飲食シーンに導入した点がポイントだ。その狙いは、「ダンサーたちのコミュニケーション能力」にある。

 「SIN CITYに登場するジェシカ・アルバ扮するナンシーが映画の中で披露するSHOWが非常に印象的で、あのワンシーンをお店で再現することを狙いました。そのために、ageHa@studio.coastで毎週DANCE SHOWで多くのお客様を魅了している東京キャ☆バニーや、クラブイベントだけでなくファッションショー等でも活躍しているBOND GIRLSに出演してもらって、ただSHOWを見せるというだけでなく、遊びに来たお客さんをシッカリ引き込み楽しませる術を知ってる彼女達に出演を依頼しました。」(株式会社 マザーエンタテイメント 広報担当)

 店内はダンサーたちにおひねり(ステージ上のダンサーや役者たちに観客がショータイム中にチップ/たいていは紙幣を渡すこと。)をわたそうとステージにつめよるファン客があふれた。




ショー・スタイル in Restaurant

 もともと赤坂のコルドン・ブルーやクリスタル・ルームが目指した≪レビュー・ショー≫、西麻布のブラック・ローズ、六本木のフラミンゴ・バーの演出家がめざしていた≪ソフトなストリップとSM≫のMIX。

 六本木の金魚、新宿ギャルソン・パブなどのショー・シアターが創り上げた≪ニューハーフ・ショー≫、etc. 様々なショー・コンテンツが飲食シーンでは展開されてきたが、ここで取り上げた東京キャ☆バニーやBOND GIRLSは、ストリップ、SM、レビュー、などの様々なエッセンスを取り入れながらディスコやクラブのダンス・フロアの中やお立ち台の上から生まれてきたディスコ的なショー・スタイルである。



 さらに今話題のポールダンスを取り入れた点も新しい。ポールダンスとは、本来、欧米のストリップ・バーで踊られていた踊りの一種。店内中央のポールに絡みつきながらSEXYな女性ダンサーがアクロバット的な舞踏を展開するヌード・ダンスである。

pole dance
ステージ上で展開されるエロティックで激しいポールダンス。

 それを、裸にならず、女性同士でも鑑賞できるスタイルに仕上げた。振り付けはポールダンスの振り付け師としての情熱をささげるATSUMIさん。そしてトップダンサーに昨年のアムステルダムで開催された世界ポールダンスコンテストで優勝したREIKOさん。

 「女の子が一人でも遊びに来れる立ち呑みバーにしたかったの。」プロデューサー野宮真貴さんの狙いはずばり。かぶりつきのステ−ジで歓声を上げているお客様の8割は若い女性客。おそらく世界で始めて、カップルで見て楽しめるポールダンスのステージである。


ディスプレイ・ディレクションを担当したヴィヴィアン佐藤氏の素敵なホスト役

「クリエイターを巻き込む。」

 さらに野宮真貴さんプロデュースの元、ディスプレイ・ディレクションを担当したのが東京一のドラッグ・クィーン、ヴィヴィアン佐藤氏。彼女の制作したディスプレイはエロティックさとスタイリッシュさを備え映画SIN CITY のイメージにぴったりフィット。

 お客様を魅了したことは勿論であるが、注目すべき点はディスプレイー担当だった彼女がほぼ毎晩お店に顔をだし接客したということである。彼女は映画評論家、デスプレイ・アーティストとして有名であると同時にクラブパーティーのオーガナイザーとしても著名。もちろんパーティー・セレヴとしてどこのパーティーもフリーパス。

 そんな彼女が集客面、ディスプレイ、接客など様々な形で関わった。もちろんヴィヴィアン氏はディスプレイ担当のクリエイターというポジション。接客はもちろんのことお店に顔をだす義務も形式的にはまったくない。にもかかわらず彼女はその幅広いネットワークを使って自分の知人たちに御案内メールを送り、夜は店舗で接客にあたったのである。

 それは、彼女がSIN CITY のプロジェクトに精神的に「いれこんでいた」からであり、SIN CITY のプロデューサー野宮真貴さんが店舗の企画当初からヴィヴイアン氏をプロジェクトにまきこんでいたからである。

 このように映画SIN CITY のプロモーションとして期間限定オープンした立ち呑みバーは多くのクラブ&ディスコ的な要素をMIXした店舗となった。

 内装や設備などのハード部分にコストをかけるのではなく、ショーやディスプレイなどのソフト面にコストを配分していく形、飲食空間にショーアップされたクラブ的なエッセンスを導入して集客を図る戦略は、今年注目を浴びそうだ。





DATA

SIN CITY

港区北青山3−5−12 クリスタル・ビルB1
(2005年12月で閉店しました。)

運営 株式会社マザー・エンターテイメント
プロデューサー 野宮真貴


   店舗プロデューサー 堀 文明

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