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8堀文明の「次のトレンド・コンセプト」11号
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≪伝統と新しさの融合≫
PUB CARDINAL MARUNOUCHI
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ハードとソフトの見事な融合
本当に価値ある物は、伝統的な文化と新しいカルチャー・シーンとが融合されていく中で生み出されていく。それは飲食シーンでも同様だ。
広尾の羽根沢ガーデンや南麻布の東京レストランなど、野田社長率いるプラン・ドゥ・シーが展開するレストランがその先駆者的存在だ。旧い銀行ビル跡(東京レストラン)、貴族の邸宅(羽根沢ガーデン)という歴史的な構築物のハードに、新しいスタイル(カリフォルニオ料理、イタリアン+和食)というソフトが見事に融合されている。
そうした融合モノの中で今回紹介するのは、PUB CARDINAL MARUNOUCHI/パブ・カーディナル丸の内(以下、PCMと略称)だ。日本でもっとも伝統あるエリアの一つの東京・丸の内だが、この度再開発で「東京TOKIAビル」がオープン、そのビルの1階に同店はある。
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先日、東京・丸の内にオープンした東京TOKIAビル。パブ・カーディナルは、このビルの1階にある。
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六本木3丁目にあった伝説のパブ、パブ・カーディナルを2006年の丸の内に蘇らせた訳だが、その手法は実に鮮やかだ。
1. パブ・カーディナルの持つ伝統的な要素
(1)内装
内装は、担当の小阪竜氏によってデザインされたスワロスキー社製クリスタルを使用。モダンなデザインのシャンデリアに装飾されたラウンジにはソファが並べられ、ヴィクトリアン・エイジの趣あるカウンター・バーとあいまって、重厚でラグジュリアスな空間になっている。
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スワロフスキー社にデザイン仕様を発注、特注したシャンデリア。
ラウンジにゴージャスな雰囲気を与えている。
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(2)サービス
サービス・スタッフは折り目正しい格式ばった重々しい動作が特徴。40歳前後のウェイターやスタッフも何人かいる。近年、ピアスやタトゥーのファッションできめたバーテンダーが多い中、さすが、パブ・カーディナルス、とうならせる重厚さを感じさせるサービスだ。
(3)メニュー
さらに、伝統的なパブの持つメニューへのこだわりも大きな特徴だ。お酒を飲んだ時に本当に 食べたくなる料理やおつまみが、新旧取り混ぜて配置してある。そのセンスはさすが。ごますりとんかつ定食1970、PCMティア(英国のティータイムでお菓子類を並べる金属製の2段重ねの籠)、ロール寿司、クラブケーキ、イベリコ豚、…などなど、n?
(4)客層
ファッション関係、音楽関係、丸の内界隈で勤務するワ−カーをはじめ、パブ・カーディナルのブランドと雰囲気に魅かれて集まるのは40歳〜60歳前後の大人たちだ。
2. 新しい現代的な要素
ほとんどが、島田氏がハートランドから持ち込んだエッセンス。
(1) DJ・VJ
フロント入り口のDJブース。週4回ほどDJがプレイ。座って静かに語り合うにはややアップテンポな、でも踊りだしたくなるほどまでにはいたらない、適度な音量でDJがプレイ。2台のプロジェクターからはVJによる美しい映像が放映される。バー上方のボトル棚のガラス面がスクリ−ンとなり、ウォッカとシャンパン・ボトルの映像がスタイリッシュに流れる。
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スタンディング・バーのカウンター上面には、プロジェクターからVJの制作したスタイリッシュな映像が流れる。
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(2) スンタディング・バー
店内は、ラウンジ(着席)、バー(スタンディング)、ガーデン・バー(スタンディング。一部着席)の3構成。丸の内では始めてのNYスタイルのスタンディング・バーが店内の70%を占める。もちろん狙いは丸の内界隈で勤務している25万人のワーカーたちのコミュニケーション・スペースとなること。
「丸の内のワーカーたちのネイバーフッド・バーとなることを狙いました。」(島田氏談) 丸の内には居酒屋的な飲み屋と食事主体の店しかなかった。いわゆる、トレンディな雰囲気のバーは皆無だったにもかかわらず、実は丸の内に勤務しているワーカー達は、東京でも有数のインターナショナルで知的な人たちだ。NYテイストのス タンディング・バーが成立しない訳がない。
「成功の確信はあります。来春には、同ビル内にJPモルガン証券の移転が決定しており、2000人の外国人ワーカーたちのコミュニケーション・スペースとなると思いますよ。」(島田氏談)
(3) オープン・ガーデン
第6回でも紹介した、HILLS CAF?&BAR 2005 のように,ここでは東京国際フォーラムを斜め前にし、丸の内の美しい夜景が一望できるガーデン・テラスがある。島田氏がこだわったシーンである。考えてみたら、先入感を全て取り払うと、丸の内は、NYの5番街、52丁目などのミッド・タウンに極めて酷似しているロケーション。丸の内にNY的なデザインの店舗を作ることはまさにイメージにぴったりなのである。
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「PCMでは、3つのポイントを考えました。ひとつは、パブ・カーディナルの伝統を現代に蘇らせること。2つめは、ロケーションとしてのガーデンへのこだわりです。わかりますか? 外で飲む=というシーンは他の何物にも変えられない重要な価値なんですよ。その結果、ラウンジ、(DJブースのある)スタンディング・バー、ガーデン・バーという3要素ができました。いろいろなニーズに応えることができます。そして3番目がドリンクのクォリティですね。」
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(4) ドリンクのクォリティ
スタンディング・バーであるにもかかわらず高品質な飲み物を、というのが島田氏のこだわり。そして新しさである。立ち飲みバーが常に直面する客層の低下への強力な防波堤だ。
世界初のプレミアム・ウォッカセラーを置き、カクテルのオーダーにべースとなるウォッカの銘柄を指定できる。カクテル・べースとして世界でもっとも多用されていながら実は表にでることのなかったスピリッツ「ウォッカ」にフィーチャーした戦略。
ちなみに、同店のオリジナル・カクテル/コスモポリタン・ローズは、NYでここ数年流行っているコスモポリタン・マティーニのPCM版。すっきりした飲み口と硬質な陶酔感が最高です。(筆者感想)
ただ単に表面的な部分ではなく、価値観やスタイルの本質的な部分においてまで、旧い物と新しい物をMIXしていてく戦略。島田氏の脳裏にある構想は、実は今後の店舗展開の上でもっとも注目すべき戦略となりそうだ。
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日本経営合理化協会 出版局 TEL:03-3293-0041
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