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8堀文明の「次のトレンド ・コンセプト」 8号 |
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写真提供 杉田学 (Aoyuzuメインダイニング)
レストランや店舗は、様々なトレンドや流行の影響で売上げが大きく変わる。そうした中で、様々なトレンドや流行をうまく利用して店舗の集客を図っていくことは、店舗経営にとっては重要な実務である。 しかし、やみくもに、一過性の流行や巷で流行っている業態を表面的に模倣して営業していくこと(たとえば、安直にジンギスカン・ブームがきているからといって、ジンギスカン・レストランに業種変更するなど。)は、店自体のコンセプトやポリシーを見失わせることになる。 そこで、現状の店舗・顧客・商品を活かしながら、世界的なトレンドや飲食ビジネスの波に乗るための戦略が大切となる。 今回は、前回に引き続き恵比寿のレストランAoyuzu(アオユズ)で開催(2002年10月)されたイベント「Sweden Style」(スエーデンスタイル)の戦略と目的について取り上げる。 ●「音楽」に続いて、「食」のイベントを仕掛ける! フーディングレストランとしてオープンしたAoyuzu(アオユズ)のコンセプトは、「食と音楽のコラボレーション」。 音楽については、前号で取り上げたように、東京や世界の音楽シーンでプレイする著名なDJやアーティストを招聘をすることによってフーディングという大きなーヴメントをつくり出すことに成功、「DJがプレイするレストランとしての確固たる地位を築くこと」ができた。 次のステージとして「食」の分野をも視野にいれた仕掛けが必要だった。そこで注目したのが、毎年東京で開催されている、「Sweden Style」という大きなイベントと、世界的に有名なスウェーデンのカリスマシェフ/フレデリック・ニルス・ワルター氏だった。 フーディングレストランについては、こちら(エキサイト)に詳しく書いているので、一度見ていただきたい。
●グローバルなトレンドを店舗と結び付けていく 話題性のあるカリスマシェフ、フレデリック氏の料理をイベント内容のひとつとしてプレゼンテーションしていくこと以上に、「Sweden Style」というイベントを企画した理由は以下の2点だった。 1.インテリア・デザイン、家具デザイン、音楽、ファッション…などのジャンルで機能的かつスタイリッシュな北欧(特にスウェーデン)のトレンドが日本を含む、世界中で大きな流れになりつつあったこと。 2.東京で開催されるスウェーデン・スタイルというイベントに動員される数万人の関係者、お客様、スウェーデンから来日するアーティストたちの告知力と集客が見込めること。 結果的には、金曜日の深夜に開催された、パーティ「Sweden Style」は400人近いお客様が集まった。スウェーデン大使ご夫妻や、世界的企業のアヴソルート、ボルボ、ディビッド・デザインなどのスウェーデン企業の関係者、スウェーデン・アーティスト達の集う華やかなパーティとなった。 さらに、当日のパーティ以外に、約一週間、開催された「スウェーデン料理フェア」も好評に終わり、期間中の売上は、前年対比120%を記録した。 しかし、このイベントが店舗にもたらした効果は、これだけではない。表からは、決して見えないイベントがもたらす相乗効果をご紹介しよう。
●たんなる店舗のイベントからの脱皮 イベントを開催していく上で大切なことは、イベントのテーマに即していかに多くの企業や個人たちと「コラボレーション」できるかである。 出来るだけ多くの企業やアーティスト、デザイナー達を巻き込むことで、彼らのネットワークを経由したPR効果がより強力に発揮されるのだ。 参考までに、Aoyuzuで開催されたスウェーデン・スタイルでは、以下のようなスウェーデン関係企業、個人とのコラボレーションが実現した。
Aoyuzuでの「スウェーデン・スタイル」というイベントは、構想の着想を得てから実現まで約11ヶ月を要した。 北欧料理界のカリスマ・シェフ/フレデリック・ニルス・ワルター氏がキッチンに入り、Aoyuzuのシェフ2人が協働するのは始めての体験。 もちろん、スウェーデンのアーティストや企業とイベントを制作するのも始めてだった。打ち合わせ一つとっても日本の企業やスタッフたちとやる場合の3倍の時間が必要なのだ。 だが、それが店舗のPRにとってプラスに作用するのである。 それは、参加する様々なアーティスト、企業関係者が、イベント開催前に何度もお客様としてAoyuzuに来店するからである。 シェフのフレデリック氏は、20回以上もAoyuzuに来店、Aoyuzuの料理を食べながら、和食を研究した。 「Sweden Style」の、オーガナイザー的存在だった前スウェーデン大使夫人エヴァさんは、多くのスウェーデン関係者達や友人達にAoyuzuでのイベント開催のPRをしてくれた。 それも、「11ヶ月間に渡ってPR」してくれたのだ。 ちなみに、前スウェーデン大使夫人エヴァさんは東京社交界の花として知られた存在であった。もちろんその交友関係には、超VIPが多い。 カリスマシェフ「フレデリック」にいたっては、世界のカリスマシェフが頻繁に訪れるレストランとしてAoyuzuが取り上げられる、そのPR効果は、計り知れない。 イベント当日よりも、開催前の一定の準備期間に、多くの関係者がお客様として来店し、関係者達が、それぞれのパイプとネットワークでイベント開催店舗のPRを、「ノー・コストで」行ってくれる。 それが表からは見えない、本当の意味でのイベント効果なのである。 レストランでのイベントを、開催当日の売上とコストのバランスだけで評価するのではなく、イベントの企画・制作・準備・実施する様々なプロセスの中でも、いかに「口コミ・評判」などの集客に結びつく効果を引き出せるかが最も重要なのだ。
店舗プロデューサー 堀 文明
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