デザートに学ぶ、心の時代に売れるモノ 06号

居酒屋にとっての「デザート」

−「集客のための戦略商品」−
 今や、居酒屋で飲んだり、食べたりした後は「デザート」が常識。男女問わず飲んだ後に「デザート」。一時代前ではちょっと考えられなかった事ですが、居酒屋にとっても「デザート」は欠かせないメニューになっています。

 では、実際に居酒屋での「デザート」がどのくらい売れているのか。また、お店全体にどのように貢献しているのかを数値でみてみると意外なことが明らかになります。







● 「デザート」は売上の2〜3%
 私共のビジネスを通して得られた統計では大変良く「デザート」を売っている店でも、意外にも「デザート」は店全体の売上の2〜3%程度です。これを一つのモデル店で2〜3%が意味するものをみてみますと


   モデル店(A)

   <店全体>          <デザート>

   月商 :10,000千円       品数:5品、  単価:320円

   客単価:3,000円        デザート売上:300,000円(全体の3%)

   客数 :3,333人/月      客数:300,000÷@320=937.5人/月

        (111人/日)                (31人/日)



 およそ3.5人に1人が「デザート」を食べた勘定になります。(女性客だけで見れば2.5人に1人位。)

 デザートは、食事や飲んだ後、最後の締めとして食べるもの。もともと、「別腹・別勘定」と言われるように、他のメニューとは別扱いで、特に女性は「心まで満たしてくれるもの」として、期待をもって注文し、厳しい目で品定めします。

 それだけに、ここで手を抜いては、せっかくの店のイメージも最後で印象を悪くすることになります。


● 「デザート」は集客のための戦略商品

 居酒屋は生き残りのために激しい競争を強いられています。売上をいかに伸ばすかは、【売上=客単価×客数(頻度を含む)】であるので、客単価を上げるか、客数を増やすかです。

 「デザート」を一品注文してもらえれば、確かに客単価は上ります。しかし、売上に貢献するのは2〜3%。それよりも、店のイメージアップに繋がるインパクトは、売上の比ではない位影響力があります。女性客集客の重要な要素でもあり、またリピーターを増やすなど集客に繋げる商品として、意識的に扱った方が結果的に繁盛店づくりにつながります。

 従って、戦略商品(メニュー)として、話題になる位の商品に仕立てるために一手間余計にかけたり、他よりも原価を少しかけ、さらに提供の仕方を工夫するなどして、お客様にちょっとした贅沢を楽しんでもらえるよう演出することで、心まで満たしてあげることが出来れば、「デザート」が最大の効力を発揮します。

 居酒屋の「デザート」に限らず、あらゆるビジネスにおいても同様の機能を果たすモノが存在しているのではないでしょうか。

 どうしても、合理性、機能性ばかりを追求するあまり、脇役的な存在でありながら重要な働きをするモノを見落としがちなのではないでしょうか。

 合理性、機能性とは相反するが「心を満たす要素」を戦略的に盛り込むことにより、新たな需要の掘り起こしを実現できるかもしれません。

 たまには、「デザート」でも味わいながら、じっくり考えてみるのも良いのではないでしょうか。



内海悟

株式会社ミックビジネスシステム 代表取締役、マーケティングコンサルタト
株式会社デザート・カンパニー  代表取締役

* デザートの総合サイト「デザートマーケット.com」主宰
 https://www.dessertmarket.com


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