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| 私は、これまで著作や一般講演を極力控えてきた。
経営コンサルタントを職業に選んで、はやくも30年たつが、その間に出した単行本は、たったの二冊に過ぎない。講演や原稿書きに追われるくらいなら、その時間を企業の中に深く入り込んで、「儲かる会社づくり」の実戦指導にあてるべきだと考え、黒子役に徹してきたからである。 その私が今回なぜ出版に踏み切ったのか、その理由を申しあげておきたい。 実戦の現場で指導を重ねていると、関連企業の多くの経営者と直接接する機会が毎日のようにある。そのときつくづく感ずることは、「経営環境が一変したのに、旧態依然の経営手法を改めようとしない社長が世の中には実に多い」ということだ。 そのため正しい手が打てずに業績不振に陥り、自信を失っている経営者を数多く見るにつけ、私のこれまでの指導ノウハウを多くの方に公開してお役に立てていただきたいとの思いが、日に日に強くなっていた。 そんなあるとき、私の「捨てる覚悟が利益を生む」という講演の要旨が、経済誌「商工にっぽん」に「デフレ直下、社長の決断ーたたむ、削る、変える」として、平成11年1月より半年にわたり連載された。すると、連載にご協力いただいた同誌の金尾靖司取締役や金子聡一編集長も私もビックリするようなすごい反響があった。 その記事での私の主張は、年商10億円から100億円の中小企業の経営者に向けたものであったから、かなり偏った、しかも思いきったことをズバズバ申しあげていたのだが、それがかえって、実戦の匂いがして、読者にピンとこられたのかも知れない。 日本経営合理化協会の牟田學理事長と石井義隆専務理事もその連載を読まれて、苦労している全国の中小企業の経営者にぜひとも励ましのメッセージを送って欲しいとおだてられ、つい出版のお薦めに乗ってしまった。 当初は連載された原稿に多少の手を加えればと気軽に考えていたが、いざとりかかってみると、あれもこれもと連載記事の四倍ほどの原稿を加えたから、結局まったく新しい本を書き下ろすハメになってしまった。経営指導に奔走する合間の執筆は、私にとってとんでもない負担となったが、出版局の本間登美雄理事の強い励ましとご協力で、なんとか三ヵ月という短期間でまとめることができた。 いま読み返してみると、私の思いきった主張に多くの反論が予想される箇所や、とくに最終章は言い尽くせなかったこと、深く堀さげるべき部分を残したことが気になるが、それはまたの機会にと思っている。 まずは、本書に託した私の叫びが、読者に届くことを祈るだけである。 2000年4月2日 |
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