先代を超える経営手腕と人間づくり…

--躍進へのバトンタッチ--
後継者の鉄則

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著者 井上和弘(いのうえかずひろ)
形態 A5判 (15CmX21Cm)本文548ページ
発行 2008年4月10日 ISBN978-4-89101-212-0
内容 目次と項目   まえがき
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-躍進へのバトンタッチ-
「後継者の鉄則」まえがき

 私が後継社長の育成に取り組んで、早くも40年になります。

 その間に約400社の事業承継に直接かかわったわけですが、どの先代社長も、後継者の育成ポイントとして、私に熱く要望されたことは、いつも決まって次の5つです。

 (1)頼りない(リーダーシップに欠ける)

 (2)金の苦労、大切さを知らない(数値に弱すぎる)

 (3)社内で浮いている(評論家的で実行性がない)

 (4)感謝心がたりない(謙虚な気持ちに欠ける)

 (5)会社よりも自分や家族を大切にする(良きパパでありたい)

 このような短所を鍛え直してくださいと、お願いされるのです。

 先代社長からしてみれば、長年にわたり手塩にかけてきたわが企業が、自分が去った後も隆々と生き残ってほしいと願うのは当たり前でしょう。

 しかし、高年齢にさしかかって周囲を見渡してみると、わが企業をしっかりと受け継ぎ発展させてくれそうな人物が、中小企業には、おいそれとはいないものです。

 それだけに、社長候補と見込んだ子息(子女)や娘婿や古参幹部の、先にあげたような短所が、長所よりどうしても気になってしまうのかもしれません。

 一方、私が後継者をみれば、ベテラン社長と比べて、

 (1)若いゆえ頼りなくみえるのは当たり前です。先代社長のように超ワンマンな手法はとれ  ません。ワンマンを踏襲すれば、かならず周囲の顰蹙をかいます。

 (2)これまで金の苦労を知る体験が少ないから、金銭感覚や経営数値にうとくなりがちです。 しかし、先代社長も数値に明るい人ばかりではありません。

 (3)若いだけに、経験も能力も不足しているので、急には何もできず、社内で身の置き所が  ないのも当たり前でしょう。

 (4)「継げ、継げ」と強制され、好きで入社したわけでもなしと思っている後継者もいます。

 (5)妻とは恋愛結婚、かわいい子供の顔を見るのが楽しくて仕方がない。妻や家庭あってこその人生、先代の時代とは違うと考えている後継者も少なくありません。

 たしかに後継者の若さゆえの未熟さは、ベテラン社長の懸念を呼ぶかもしれません。

 しかしそれは同時に、これからの目覚しい成長の「のびしろ」でもあるのです。

 事実、私はこれまで、多くの後継者たちと膝つきあわせて、経営の必須実務はもちろんのこと、企業を経営する真の意義とそれをやり遂げる喜びを肌で感じてもらえるよう務めてきましたが、私とともに修行した一見頼りなくみえた彼らが短期間に力をつけ、承継前の心配がウソのような豪腕経営者に変身されたケースを何度も目にしてきました。

 なかには、一地方企業でありながら売上を数十倍に伸ばし株式上場を果たしたり、あるいは海外市場へ進出して業界一に成長させたり、また先代が思いもしなかった果敢な業態開発で高収益企業に変身をとげるなど、優れた後継社長が数えきれないほど輩出しているのです。

 要するに、後継者が潜在的にもっている能力をいかに最大に引き出すかが大事なことなのです。

 本書は、そうした私のライフワークである、後継者育成の全ノウハウを、若き後継者の限りない成長を願ってまとめたものです。

 題して「躍進のバトンタッチ=後継者の鉄則」としました。 

 その主旨の第一は、後継者として継いだからには、絶対に潰さないようにすること。

 そして、次の後継者に、確実に渡すことです。

 それには、後継者に「絶対に潰さない知恵」がまず必要です。

 第二に、後継者の代で、企業を再び躍進させること。

 時代の新しい変化に即して、世の中になくてはならない企業、そして従業員が幸福と思える企業に再成長させることです。

 それには中興の祖となるような「第二創業の覚悟と知恵」が必要です。

 第三に、企業資産や先代社長の個人資産の相続という問題を、後継者としてうまく解決しなければなりません。

 大半の企業が同族会社であるという現実から、税務や法律をはじめ、きれいごとではすまない企業永続の知恵が必要になってきます。

 そこで、この本を、

 【第一部】 企業承継の大原則と、後継者としての覚悟のつけ方、行動の仕方

 【第二部】 社長の仕事とは何か、後継者に必須となる経営の急所と知恵

 【第三部】 承継の盲点となりやすい、企業を永続させる知恵

の三部に、大きく分けました。

 全編を通じ、評論家の「べき論」を排し、すべて実践の要諦を述べています。

 それらを後継者の方々に、「他人事」ではなく「わがこと」と感じていただけるように、さまざまな業種業態と規模から、多くの具体的な事例もまじえました。

 思わぬ長編となりましたが、できるだけ話し言葉でわかりやすく、どこから読んでいただいてもよいように構成したつもりです。

 どうか何度も繰り返しお読みください。読めば読むほど、ご利益があります。

 実践いただければ、必ず、優れた後継者に自己成長できます。

 そう断言できるだけの強い情熱を込めて、この本を書きました。

 あとは後継者のみなさんが、これから起こりうるどのような困難をも跳ね返し、事業の再成長に活躍されることを、ひたすら願うのみです。

2008年3月吉日
井上 和弘
-躍進へのバトンタッチ-
「後継者の鉄則」もくじ

 

  まえがき

第一部 承継の大原則

序 章 後継の宿命と魅力

  1 事業を引き継ぐ魅力

  周囲の目/事業の土台がすでにある魅力/先代より後継者が必ず優れていることは何か/誰にも替えがたい師匠が身近にいること/1億人の金持ち市場で事業ができる

  2 後継者の宿命

  親は必然、子は偶然/先代のカリスマ性は引き継げない/既定路線を走らされる

  3 事業承継3つのカベ

  創業60年企業が少ないわけ/後継者の経営センス/支配権の分散

第1章 守破離の大原則

  1 社長業修行と守破離の原則

  社長業を身につける3つのステップ/私にとっての守破離/後継者が心がけるべき社長業の守破離

  2 「守」の時代の修行の急所

     師匠のことばは絶対/教えをただひたすら乞う/かしこバカになろう/「守」は叱られることから

  3 「破」の時代と自分色の打ち出し方

   「破」は「守」の時代があればこそ/私が「破」に至ったきっかけ/二代目が「自分色」を出すきっかけ/病床の父の憂鬱な指示/超ワンマン山野社長が亡くなって/「破」の原動力となるもの/何を「破る」のか/「部門」から「総合」へ

  4 「離」は第二創業の時

  やがて訪れる「離」の時/「離の構想」を練りあげる/閉塞感を打開する/「離」の究極は「中興の祖」になること/「離」は第二創業のとき


第2章 会社を潰す人と中興の祖となる人

  1 会社を潰す後継者の困った共通点

  6つの共通点/遊ぶことが大好き/賭け事・バクチ好き/NOと言えない/「ほしい」となると我慢できない/人を弄ぶ/資産回転率がわからない/まとめ

  2 「中興の祖」となる後継者の共通点

  キラ星のように存在する「中興の祖」/中興の祖となる後継者の8つの共通点/私利私欲を超越した事業欲/ロマンティスト/人間尊重による動機づけ/オーナーシップがある/運が良い/一度は大勝負する/カリスマ(教祖)性がある/タフである


第二部 社長の仕事

第3章 社長とは何をするのか

  1 社長は、事業を経営する人である

  「見抜く」と「満たす」を同時に進める/儲けは街なか人ごみに/「満たす」仕事とは/事業でのカネ儲けと投機とはまるで違う

  2 社長は、集団のパワーを一点に集める人である

  「事業への思い」を社員と共有する/社長は中間管理職ではない/後継者としての留意点

  3 社長の7つの仕事

  社長として押さえるべき7つの仕事とは/見抜く仕事(1)=売れて儲かる新商品・新事業を見抜く仕事/新商品・新製品を発想する切り口/見抜く仕事(2)=自社の現状認識と経営課題を提起する仕事/既存の売りものの鮮度を見抜く/既存商品を売れて儲かるように変える/満たす仕事(1)=経営目標と方針を決定し推進する仕事/満たす仕事(2)=売れるものを安く、速く、客に届ける(あるいは仕入れる)仕事/満たす仕事(3)=強く広く確実に売る仕事/満たす仕事(4)=幹部や従業員を活き活きと動かす仕事/満たす仕事(5)=お金を正確に効率的にコントロールする仕事


第4章 儲けを出す原理原則

  1 利益を増やす5原則

     増益5つの原則/自社の状況で増益策が違ってくる

  2 何をもって黒字というか

  5種類の利益/損益計算書の経営者としての読み方/利益処分をどうるすか/収益性はROAで指す/経営は引き算である/2種類の費用/損益分岐点売上を知りなさい/固定費を下げる努力を優先/損益分岐点操業度を知れ

  3 キャッシュフロー経営のすすめ

  なぜ黒字倒産するのか/使える金を増やす「5増6減策」/現金を増やすために「減らす」6つの策/借金の限度額はいくらか


第5章 後継者としての人心掌握

  1 入社時の心がけ

     何歳であろうと一年生/入社当初の3大心得

  2 見られる自分をつねに意識する

  周囲が納得する美学をもて/金についての美学/女性関係についての美学/肩書きに頼らない美学/「見られる自分」6つの留意点

  3 「人を惹きつける力」とは

  人を惹きつける「フォーション」/社長としてのショウマンシップを磨け


第6章 闘う集団づくり

  1 人をめぐる経営者の勘違い

  「企業は人なり」という勘違い/「和をもってすれば人は働く」という勘違い/「定年」延長時代という勘違い/「安心して働ける賃金制度」という勘違い/「動作マナーの正しい会社は繁盛する」という勘違い/「身内、血族者は安心して任せられる」という勘違い/「パート社員、女子社員は頼りにならない」という勘違い/「労働組合は作るな」という勘違い/「教育することによって人は伸びる」という勘違い

  2 社員と共に業績をあげる姿勢

  社員に何を求めるのか/組織づくりの基本/ラインとスタッフの役割の違いを明確に知る/ やれば報われる組織とは/差別ではなく区別せよ/マネージャー層の給料の目安/労務観のグローバル化

  3 体温を合わせる教育

  「会社に対する自分の売りもの」をみがく教育/会社は「個人の都合」ではなく「市場の都合」で動くことを理解させる/「自社の環境変化」に対応する教育/会議は実践教育の場/会議運営の10のポイント/社内報の充実

  4 自分の片腕を見つけ育てる

  有能な片腕が3人いれば組織は動く/片腕探し「1:3:9の法則」の実践/片腕となる人材の条件/片腕となる人材3つの要素/いつ後継者の片腕を経営陣に加えるべきか/先代の片腕を後継者の片腕にスムーズに交代させる法


第7章 絶対に潰さない知恵

  1 次の大成長を狙う前に

  「潰さない知恵」を確実に実践する/商品力の陰りに気を払おう/ナンバーワン主義に気をつけよ/大投資には知恵を重ねよ/景気の潮目を読もう/うまい話と連帯保証人の話に乗らない/マネーゲームに手を染めない

  2 絶対に潰さない経営の知恵

  決算数値を早く正確に出させる/手形を発行しない、受け取らない/借金をしない/かんたんな図にして自社の体型を読む/総資産のダイエット/売掛債権の中味をチェックしよう/棚卸は毎月しよう/引っかからない/企業体力指数300を保て/稼いだ利益を社外に流出させない

  3 自社の弱点を正す

  公私混同を正す/社員はミス・不正を行うものである/公職につくのは避けなさい/ロマン(情)だけでは飯は食えない


第8章 再成長の鉄則

  1 変えなければ、成長はつづかない

  経営は「環境適応業」/社長の仕事は「変える」ことである/たたむ・削る・変える/企業体質に合わなければ、儲かるようには変わらない/プライドの持てる会社に変えよう/「企業の強みの竹林経営」をやりなさい/「好きなこと」だけで新事業はするな

  2 「売りもの」を変える

  売れるものに聞きなさい/お客様に常に尋ねなさい/新技術で主力商品を変える

  3 売り先を変える

  道徳観を押しつけるな/伸びるお客様と付き合いなさい/伸びるチャネルへ変えなさい/価値のわかる客層に変える/伸びる地域に変えなさい

  4 業態を変える

  企業価値を磨けば業態は変わる/「モノ」の前と後を事業家せよ/「すべての業種のサービス産業化」で業態が変わる/ネット活用で業態が変わる

  5 人が変わる

  まずは今いる人たちの目の色を変えよ/たかがビーチサンダル、されどビーチサンダル/必要人材に取り替える/人の構成を変えよ


第三部 永続の知恵

第9章 親族と経営

  1 信なくば立たず

  あるスーパーの凋落/同族臭を拭い落とす6つの策/娘婿が一番よい

  2 先代との人間関係

  先代社長との付き合い方/先代の寂しい気持ちへの処方箋/不安な気持ちへの処方箋/おもしろくない気持ちへの処方箋/退職金を多く支払う

  3 家族と経営

  母親を敵にまわすな/後継者の妻の役割は大きい/兄弟経営はむずかしい/社内にいる伯父、叔父、いとことの関係


第10章 後継者としての資産管理

  1 相続は争族のはじまり

  継承期は「警鐘」期でもある/戯け者になるなかれ/株式の分散は命取り/争族の防止策を考えておく/先代の残した問題を取り除く役になりなさい

  2 相続税の基礎知識

  持株比率の権利を知っておこう/相続税は堂々と支払いましょう/金を貯めねばならない後継者/会社の乗っ取り防止策も考えなさい


終章 啓発と癒し

  1 後継社長の自己啓発

  自己啓発のための8カ条/(1)始めより末/(2)嫌なこと、面倒なことからやってしまおう/(3)お礼は形ではっきりと示せ/(4)好きなことを己の意思でやめてみる/(5)朝早く起き、早く出社する/(6)上手に頭を下げなさい/(7)宗教心をもつ/(8)年輩者、位の高い人と交遊する

  2 後継者の癒し

  健康管理は自己管理/気を張る、気をつける/診断する、合理的に予防する/一番の癒しは気分転換/家庭こそ憩いの場/疲れは、好奇心のかたまりで飛んでゆく/経営者の癒しは、動物、植物、芸術に/最高の癒しは、仕事の充実感から

  あとがき

-躍進へのバトンタッチ-
「後継者の鉄則」
本体概要
《先代を超える経営手腕と人間づくり》
著者・井上和弘氏が、後継社長の育成に取り組んで40年。
これまでの後継者育成の全ノウハウをまとめた集大成の書
「会社を絶対につぶさない知恵」「後継者必須の経営実務」
後継者としての人心掌握」「闘う集団づくり」「親族と経営」…
さまざまな業種業態と規模から、多くの具体事例をまじえ、
わかりやすく説き明かす。

「べき論」を排し、すべて実践の要諦を話し言葉でわかりやすく、

しかも、どこから読んでもよいように3部構成で展開。

まさに、後継者のための《生涯の経営の虎の巻》。
   ●本文総ページ数548ページ
   ●本体サイズ A5判(15Cmm×21Cmm) 上製本・函付
-躍進へのバトンタッチ-
「後継者の鉄則」
著者について
著者 井上和弘(いのうえかずひろ)氏について

 「儲かる会社づくり」の指導歴40年、オーナー企業の経営に熟知した実力コンサルタント。

 これまで170余社を直接指導、オーナー社長のクセを知り尽くし、一社も潰さず、一部上場はじめ株式公開させた企業も十数社にのぼる。

 その実力とざっくばらんな人柄に惚れ込んだ社長は数多く、長年の信頼感から後継子息を氏に託す人が後をたたない。

 氏は経営指導で東奔西走する傍ら、日本経営合理化協会主催の「後継社長塾」の塾長を30年間つとめ、今までに380人以上の後継者育成にたずさわる。

 その中から、後継社長として社業を数十倍に伸ばしたり、上場を果たし「中興の祖」と言われるような優れた経営者が数多く輩出している。

 1942年大阪生まれ。早稲田大学卒。イタリアフローレンス大学留学後、大手経営コンサルタント会社を経て、84年ICOコンサルティングを設立、代表取締役に就任、現在、同社会長。

 94年より日本経営合理化協会理事。JMCA米国視察団団長、各種の社長塾を主宰。ダラス市名誉市民。


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