波乱期の経営者のゆるぎない行動指針

危地突破の経営

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著者 井原隆一(いはらりゅういち)
形態 A5判 (15CmX21Cm)本文440ページ
発行 2003年5月15日 ISBN4-89101-031-2
内容 目次と項目   まえがき
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「危地突破の経営」まえがき

 私はソロバンとカネ勘定きり能のない一介の銀行屋でしかない。その私が、危地に陥った複数の中堅企業の再建に成功したと言ったら、そこに何か秘法でもあったのかと思われるかもしれない。

 しかしこれには種も仕掛けもない。私の青年時代に失意貧困のどん底から脱出した体験と、多くの先賢の知恵を、今に活かしただけのことでしかないのである。

 かつて私が親譲りの莫大な借金を抱えて途方に暮れていたときに、「借金なんかで悩むことはない、あんなものは返せばいいんですよ」と、いとも簡単に片づけられたことがあった。

 理屈はまさにその通り、反論の余地はない。頼る人もなく、自ら可能を信じて厳しさに挑戦するしかなかった。そして馬鹿のひとつ覚えのように、借金返済に全知全能を集中したところ、「雨垂れ石を穿つ」のたとえ通りに、わずかな返済を重ねていくうちに借金の大山も崩れだしたのである。もし借金返済の困難を先にして、可能を後にしていたならば、完済は到底不可能になっていたであろう。

 だいたい企業経営の行き詰まりのいちばんの原因は借金過多にある。巨額の借金で危地に追い込まれた会社に入社したときに、「返済にまわす原資は皆無」と言われ、「全社員の頭脳の貯蓄がある」と反駁したことがある。「貧すれば鈍する」を地でいっていたのでは救いがない、「貧すれば知恵が出る」でなければならないと。

 私には「未曾有」とか「今世紀最悪」といわれるような大きな不況に、過去何度か直面してきた厳しい経験がある。しかし幸いにも先賢の知恵が強い支えとなって、危地のことごとくを突破することができた。三千年ものむかしから風雪に耐えて伝えられてきた先哲の英知は、危地にあってさらに光を放ち、時代を超えて私に突破の知恵と勇気を与えてくれたからである。

 本書は、私の血肉となった数々の先賢の知恵と、企業活動におけるその応用体験を隠さずに綴ったものである。題して「危地突破の経営」とした。

 近年、私のような老人にまで経営者からのご相談が途絶えることがない。それだけ世の中の状況が厳しいということだろう。このような時代にこそ、本書で紹介した先賢の知恵を難局打開の大きな手がかりにしていただきたいと祈るばかりである。

2003年 佳き日に
井原 隆一
危地突破の経営 もくじ

 

  まえがき

   第一章 危地に臨むトップの心構え

       一 自ら可能を信ぜよ 

           浮沈を決するもの/厳しさに挑戦/無の強さ/

           五無才の強さ/貧すれば知恵が出る

       二 自ら依存心を捨てよ 

           親会社依存を断たずに/神頼み/自分を頼め/

           依存心を払拭する/成らずんば止めず

       三 厳しさに挑戦 

           味方の困難を奪い去れ/返済の資源を何に求めるか/

           出た利益を誰に与えるか

     

   第二章 志気を奮い立たす

       一 危機感と意欲 

           大舟から小舟に移す/四十人の代表取締役/

           分社同士で競い合う  

       二 退路を断って 

           背水の陣/志気まさに天をつく/騎虎の勢い/

           志を自刃に降ろさず/予備費を許さず

       三 みずから陣頭に立てば 

           エリート意識が不良品を作り出す/身をもって教える者には従う

           顔のホコリは心の誇り/己を捨てる

     

   第三章 部下に希望の火を灯せ

       一 可能を信じさせよ 

           抜山蓋世の気概/一灯、人の心を変える/

           二桁の法人税

       二 将の大志が部下の胸を膨らます 

           大志が部下の心をとらえる/大局みずして志ならず/

           大志と細心

       三 部下に旗印を示せ 

           みんなの耳目をひとつに/永楽銭と風林火山/

           一人一人を強くした上で団結させる/光を見い出す旗印

       四 会社の恥は志気の低下 

           恥を発奮の材料にする/恥も経営資源のひとつ/

           恥は発奮の鞭

       五 至誠神の如し 

           赤心のつよさ/ときに鋭い釘を打ち込む/

           正しい判断は至誠から

        

   第四章 賞罰と志気

       一 賞罰の権は誰が持つ 

           トップが手放してはならない権利/当たり前のことを賞する/

           薄情も情のうち/権力の乱用との闘い

       二 トップの軽重は賞罰の公平さにあり 

           先ず隗より始めよ/天網恢々疎にして漏らさず/

           明明たる上天、下土を照臨す/社長の六敵/

           泣いて馬謖を斬る/罪を見るに拡大鏡を用いるな

       三 賞で人を活かす 

           心はひとつの割普請/肩書で発奮させる/賞の前渡し効果/

           再建途上での賞の前渡し/賞の与え方

       四 必賞必罰との闘い 

           必賞必罰の鬼となる/功の軽重判断/昔の小過と今の大功/

           ひいきのひき倒し


   第五章 全社統率の決め手

       一 人は力に服さず 

           服し従わせる力/心から服させる強さはどこから/

           化して教えよ/結婚式の招待状/一心以て万人を得るべし/

           自分との約束を守る/威厳

       二 人、人を重んずれば 

           四人の宝/鶴の恩知らず/信ずれば信じられる/

           まかせて育てる/桃李言わざれども/

           兵を奮起させる三条件/部下をみること嬰児の如し/

           私財を投じて

       三 諌言を聞く明君、聞かぬ暗君 

           明君と暗君のちがい/派閥に与して/

           項羽と劉邦/蜚ばず鳴かず/忠言を聞き入れる雅量

       四 意欲型人間を用いれば 

           意欲型と退嬰型/役立たない人はいないもの/

           人は見かけによらぬもの/袋の中の錐

   第六章 危地突破は準備にあり

       一 危地突破の用意 

           変に応じる智/先賢の知恵を盗む/

           智は勇気を生む

       二 時間は活力増進剤 

           時間という督励者/時間はだれにも平等に与えられている/

           先んずれば人を制す/既決・未決函/時の勢い/

           忙中の閑/急がばまわれ

       三 経営の準備 

           長寿の秘訣/節約は準備である/

           創造力は準備から生まれる/?新?を?旧?に改めよ

   第七章 トップの自己形成 

       一 幾度か辛酸を経て志はじめて固し 

           人間難事幸福への道/無用の用/

           志を強大にするために

       二 その身正しからざれば 

           背伸び根性に釘を打つ/弱い犬ほどよく吠える/

           短命国家の君主/己の持っているものを育てよ/

           スイカ泥棒様へ

       三 恥を恥とすれば 

           恥の恩返し/怨みに徳で返す

       四 足るを知る者は富む 

           寡欲のひと大欲のひと/富の限界/

           天丼哲学/小忠、小利に鬼となれ/

           小利・小忠は鬼門なり

       五 禍は福の倚るところ 

           禍福に門なし/三つの「う」と三つの「し」/

           金玉堂に満つるも之をよく守ることなし/

           児孫に美田と倹約心を同時に譲れ

       六 自己形成と一字の重さ 

           「仁」/「敬」/

           「研」/「欲」

       七 嗇に若くはなし 

           会社を長持ちさせる要諦/われに三宝あり/

           敗れた者へのおもいやり

   第八章 他山の石

       一 他山の石以て会社を興すべし 

           一見無関係のことからヒントを得る/

           抽象論を具体化できる能力/万人万物わが師

       二 詩歌も亦将たる者の嗜み 

           歌の魔力/人生劇場/  

           勧学と偶成

       三 第三者を用いた功 

           子供も立派なセールスマン/蛇足を説いて国を救う

       四 克己心 

           人に勝つ者は力あり/人生五段作戦/

           過ぎた欲を持ちなさるな/傲病の治療/

           商売の秘訣

       五 去るときは盛時 

           去るは盛時/真の楽しみは身の自由にあり/私の自己満足/

           如水のこころ/功成り名遂げ、身退くは天の道なり/

           去るための準備

   【本書に引用された名言・金言】索引

           著者紹介

「危地突破の経営」本体概要
●いかなる逆境をも乗り越える経営者の勇気と知恵とは…
 危地突破の実践者=井原隆一氏を支えた先哲の教えと応用術。

●「未曾有」「史上最悪」と言われた大不況に何度も直面しその都度
 困難や逆境をことごとく克服してきた著者が、決断と実践の支えと
 した中国三千年の数々の英知を、自らの体験から飾らずに説く。
●経営者受難の時代に、読む人すべてに挑戦する勇気と希望
 をもたらし、経営者魂を強烈に揺さぶる待望の最新著。
   ●本文総ページ数440ページ
   ●本体サイズ A5判(15Cmm×21Cmm) 上製本・箱付き
●皮革携帯版について
机上版と全く同じ内容で、本文用紙に特薄の高級紙を、表紙に
本皮革を用いた特装携帯版。

多忙な社長様が出張先に持ち歩けると大好評です。

A5判・本文490頁・函付

「危地突破の経営」著者について
著者 井原隆一(いはらりゅういち)氏について

 14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行。18歳で夜間中学を卒業するも、父親の死後莫大な借金を背負い、銀行から帰ると家業を手伝い寝る間もおしんで借金完済。

 その間、並はずれた向学心から独学で、法律、経済、経営、宗教、哲学、歴史を修めた苦学力行の人。最年少で課長抜擢、証券課長時代にはスターリン暴落を予測し、直前に保有株式証券をすべて整理、経理部長時代には日本で初めてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され、筆頭専務にまで上りつめた。

 60歳のとき、大赤字と労働争議で危地に陥った会社の助っ人となり、一挙に40社に分社するなど独自の再建策を打ち出し、短期間に大幅黒字・無借金の優良会社に蘇らせる。その後も数々の企業再建に辣腕を発揮、企業再建の名人として知られる。

 数多くの艱難辛苦を、中国故事を心の糧にしてことごとく克服し、その実体験を飾らずにつづった著書は、多くの経営者の座右の書となっている。

 90歳を越えたいまも矍鑠(かくしゃく)泰然、全国の経営者からの相談が引きも切らず、危地突破の的確なアドバイスを続けている。1910年、埼玉県生まれ。


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