社長のための決算書の読み方 はしがき
「社長のための決算書の読み方」はしがき

 《初版へのはしがき》

 題して、「社長のための決算書の読み方」といたします。

 「社長のため」であることにじつはご注目いただきたいのです。経理の専門家のためではなく、とくに、社長の皆さまのために書きました。

 複式簿記の知識はいっさい必要ありません。借方や、貸方はご存じなくとも結構です。社長として決算書をいかに読みこなすか、どうやって経営にいかすか、この一点にポイントをしぼっております。

  この本は、四つの編から成っております。

 基礎編では、決算書は何を表現しているのか、決算書の数字は何を意味しているのか、を説明しています。もちろん、複式簿記は、いっさい使っておりません。

 次に、応用編では、利益計画と資金計画の立て方を説明しています。どうやって儲けるのか、どうやって資金繰りを楽にするか、のノウハウです。

 そして、実践分析編では、日本産業という会社をモデルとして設定し、この会社の実際の決算書を社長の立場から読んでいます。決算書の読み方を、実際に体験していただきます。

 最後に、資料編では、標準的な実際の経営指標を集めました。ご自分の会社とぜひ比較してみてください。

 この本によって、皆さんの会社がますます発展されれば、私達にとって、こんなにうれしいことはありません。

平成4年10月

 辻会計事務所 会長・公認会計士 辻敢
税理士 西村 昌彦

 《改訂版へのはしがき》

 『社長のための決算書の読み方』の初版を発刊してから早や15年の年月が過ぎました。

 その間に、インターネットの普及、経済や金融のグローバル化、規制緩和などの影響を受け、日本の経済環境は大きく変わりました。

 こうした時代の流れの中で、会計の世界におきましても、“会計ビッグバン”と称し、税効果会計、金融商品会計、キャッシュフロー計算書など、新しい会計制度が次々と導入されました。

 さらには、商法について百年ぶりの抜本的改正が行われ、平成18年5月に、新しい会社法が施行されました。

 これにより、皆さんの会社が作成する決算書も、大きな改正が加えられました。

 そこで、こういった状況に対応すべく、先の『社長のための決算書の読み方』を、次の3つの点を中心に、大幅に改訂いたしました。

 (1) 新しい会計制度、会社法、税制改正などにより、ここ15年で変わった
    ところを、全面的に書き直しました。
    また、税効果会計とキャッシュフロー計算書について、社長としての
    基本的な押さえどころを、わかりやすい表現で、解説に努めました。

 (2) 資料編において、旧版は、中小企業庁から公表されているデータ
    として、「中小企業の経営指標」を掲載し、皆さんの会社の数字と
    比較しました。
    この「中小企業の経営指標」は、平成17年に「中小企業の財務指標」と
    改名され、掲載指標の内容や業種の分類等について大幅な改良が
    加えられて、充実がはかられました。
    本書では、この新指標である「中小企業の財務指標」を使って、皆さん
   の会社の数字と比較をするようにしてあります。

 (3) 今やパソコンは、携帯電話と並んで、ビジネス上の必需品となり
    ました。
    そこで、パソコン表計算ソフト・エクセルの<経営分析プログラム>を
    収録しCD−ROMを、付録しました。
    このプログラムでは、自社の決算書の数字や業種などを入力すること
    によって、本書で解説した各種の指数が自動計算され、皆さんの会社
    の分析表等を、簡単に作成することができます。

 ところで、現在ではお金に国境がなくなり、有利な投資先を求めて、世界中を駆け巡っております。このような潮流のなかで、世界共通の言語である決算書は、ますます、重要性を帯びてきました。

 社長および将来の社長の皆さん。本書が、少しでも、皆さんのビジネスのお役に立つことを祈っております。

 最後に、私事にわたりますが、 旧版『社長のための決算書の読み方』の共同の執筆者であり、小生の人生における最高の師匠でもあります辻敢は、 平成18年3月1日に他界いたしました。

 この度、本書を刊行することができましたのも、恩師の生前における数々の指導のお蔭と考えております。

 謹んで、ここに、感謝の意を表したいと思います。


平成20年5月

辻本郷税理士法人 税理士 西村昌彦
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日本経営合理化協会 出版局 TEL:03-3293-0041