学者で億万長者 本多静六が、人生における
「お金の真実」を本音で語った不朽の名著!

人生と財産「私の財産告白」

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著者 本多静六(ほんだせいろく)
形態 A5判(15CmX21Cm)本文416ページ
発行 2000年1月18日 ISBN4-89101-010-X
内容 目次と項目   まえがき
伝説の億万長者本多静六が、金銭と財産の真実について、本音で語った不朽の名著。戦前戦後の経済人に見識を示した、その堂々たる蓄財術と見事な金銭哲学を公開。
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人生と財産 本文冒頭より
一、本多式貯金法------本文より

 まず、「私の財産告白」とでもいった話から始めるとしよう。これは、どうして素寒貧(すかんぴん)の私が金を作り、財産を積み、そしてまたもとの無一文にもどったかという話である。
柄にもなく、今どき、財産の話などを持ちだすと、本多が今もって、かくれた大資産家であるかのごとく、誤解されるおそれがあるから、最初に、いわゆる禅家の「無一物中無尽蔵」といった、乏しい中にも満ち足りた現在の生活白書からご披露しておきたい。
 後段にくわしくお話しするであろうが、満60歳の大学教授の停年とともに、感ずるところあって、私は、私の全財産をひそかに公共事業に寄付してしまった。そうして働学(労働と学問)併進の簡素生活に入り、老妻とともに再び昔の貧乏生活を張りなおした。もっとも貧乏生活といっても、土地、家屋、株券で約100万円程(現在のお金にして約1億5000万円)を残し、かてて加えて倹約貯蓄に心がけていたので、またまた各方面へ追加寄付できる予定計画さえ立つほどであった。
 それが大敗戦の結果、ついに財産の六割あまりを占めていた正金銀行その他海外事業株が丸損となり、加うるに数十万の財産税と非戦災者税の支払いなどで、東京の家屋敷と、箱根、伊東のわずかばかりの不動産を残すほか、まったくの無財産となってしまった。その後の生活が、いわゆるタケノコを余儀なくされたのは、いうまでもない。
 ところが、戦時中からいよいよつとめてきた昼耕夜学、芋粥とホルモン漬----生野菜を塩漬けにしたものの自称---の簡易生活で、耐久、よくこれを切り抜けてきた。さらに今年の初めから、インフレの終止や恩給の増額で、ようやく経済的安定を得るに至ったので、この上は、慢心と、贅沢と、怠惰とを厳にいましめさえすれば、どうやら百二十歳以上までは無事に生きられそうである。
 そこで、今ここに、私の生活収支を具体的にはっきり公開しておくと、まず恩給が年7万円あまり(約270万円)貸家貸地収入が約3万円(約110万円)それに畑の生産物を金に見積もって合した全部がわが家の年収である。もちろん、子供にもだれ
にも厄介になっていない。これらのすべては老妻に託して、老妻の切り盛りにまかせているが、芋粥とホルモン漬の生活は、ますます私どもを健康にしつつ、しかも老妻の手
元には幾らかずつの貯金がてきているらしい。
 その他、私には私なりにかせぐ原稿料、講演料、身の上相談謝礼などの副収入があり、その半分を小遣いに使い、あとの半分もこれまた貯金している。この貯金は次回(20回目)の洋行費や関係育英財団への寄付にあてるつもりである。
こうした有様であるので、今の私には経済上、生活上に何らの不安もなく、元気で、明朗で、85という年にさらに一つでも早く年を加えることがうれしく、しかもその老いを忘れて、日に新たに、日に日に新たなる努力生活を楽しみにしているのである。これが私の今日の「生活白書」----つづく

私の財産告白- 今日の生活白書より
人生と財産 自序
自  序

私の財産告白

 私は本年八十五才になる。自分でもまず相当な年令と思う。しかし、「人生即努力・努力即幸福」といった新人生観に生きる私は、肉体的にも、精神的にも、なんら衰えを感ずることなく、日に新たに、日に日に新たに、ますますハリ切って、毎日を働学併進に送り迎えしている。世の中をあるがままにみ、避けず、恐れず、それに直面して、愉快に面白く闘いつづけ得ている。まったくもって感謝の外はない。

 今ここに、長い過去をかえりみて、世の中には、あまりにも多く虚偽と欺瞞と御体裁が充ち満ちているのに驚かされる。私とてもまたその世界に生きてきた偽善生活者の一人で、今さらながら慚愧の感が深い。しかし、人間も八十五年の甲羅を経たとなると、そうそううそいつわりの世の中に同調ばかりもしていられない。偽善ないし偽悪の面をかなぐりすてて、真実を語り、「本当のハナシ」を話さなければならない。これが世のため、人のためでもあり、またわれわれ老人相応の役目でもあると考える。

 本書に収められた『私の財産告白』、『私の体験社会学』の二篇は、すなわち、この意図により、雑誌「実業之日本」を通じて世に問うた私の真実言であって、いずれも異常なる読者の反響をかちえたものである。

 古諺に、無くて七癖という。老人にもまた七癖無くてはならぬ筈。しかも、その一つに、御説教癖ともいうべき万人共通のものがあろう。本書の内容もこれが御多分にもれぬかもしれぬ。しかし、ここに私の説くところは、ただ口先や筆先ばかりで人にすすめるものではなく、いずれも自分みずから実行し、実効をあげたもののみの吹聴であり、物語であって、御説教のための御説教は一言半句もさしはさまれていないつもりである。

 実をいうと、いかによいことでも、それが自分の実践を基にして、しかも相当の成果をあげたことを語る場合、なんだか自慢話になってやりにくいものである。ことに財産や金儲けの話になると、在来の社会通念において、いかにも心事が陋劣であるかのように思われやすいので、本人の口から正直なことがなかなか語りにくいものである。金の世の中に生きて、金に一生苦労をしつづける者が多い世の中に、金についての真実を語るものが少ない所以もまた実はここにある。

 それなのに、やはり、財産や金銭についての真実は、世渡りの真実を語るに必要欠くべからざるもので、最も大切なこの点をぼんやりさせておいて、いわゆる処世の要訣を説こうとするなぞは、およそ矛盾も甚だしい。

 そこで、あるいは蒙るであろう、一部の人々の嗤笑を覚悟の前で、柄にもなく、あえて私の行うに至ったのが、この『私の財産告白』である。もとより、平々凡々を極めた一平凡人の告白である。新しく世に訴うる何物もないことはいうまでもない。しかも、それが予想に反して、知名の財界人を始め、各層社会人の間に、多数の共感共鳴者を発見するに及んだのは、老生近頃の最大欣快事でなければならぬ。

昭和二十五年十一月

                              

本 多 静 六
人生と財産 もくじ
─私の財産告白─

1. 本多式貯金法
   貧乏征伐の決意/本多式「四分の一」貯金  他
2. 金の溜め方・殖やし方
   大切な雪だるまの芯/金儲けはケシカラヌか 他
3. 最もむつかしい財産の処分法
   財産蓄積に対する疑惑/子孫の幸福と財産  他    
4. 金と世渡り
   貸すな、借りるなの戒律/私の致富奥義 他
5. 私の投資鉄則
   子供には何を残すべきか/金儲けのできる奴

─私の体験社会学─

1. 儲かるとき・儲からぬとき
   金は生物である/失敗に囚われるな    
2. 儲ける人・儲けさせる人
   小成金たちの運命/儲けるには儲けさせよ 他
3. 処世の秘訣
   複雑な人と人との問題/上手な喧嘩の仕方 他
4. 人を使うには・人に使われるには
   使うには使われろ/人物の正しい評価 他
5. アタマの人間とウデの人間
   出身学校にとらわれるな/ウデの人からアタマの人へ 
6. 平凡人の成功法
   天才恐るるに足らず/体験社会学最終結論


─人生設計の秘訣─

1. 人生にはなぜ計画が必要か
   人生はよき人生計画に始まる 他           
2. 私の第一次「人生計画」
   満25才での発願/職域活動からお礼奉公へ 他
3. 理想はさらに理想を生む
   勝利の悲哀/すべては向上への過程 他
4. 私の第二次「人生計画」
   人生コース四分法/人事を尽くして天命を待つ 他
5 . 人生計画の立案と実行
   人生計画に必須の五大要素/20年1期の刻み方 他
6. 計画実現に望ましい生活態度
   処世9則
7. 我らいかに生くべきか
   職業の道楽化/生活設計法 他
8. 結婚はどうしたらよいか
   結婚に至る道程/世界に誇るジャン憲法 他
9. 私の生活流儀
   時間のムダをしない法/交情を長びかせる法 他
10. 世のため人のために尽くす法
   私のお礼奉公/後進への地位の譲り方 他
11. 老後に考えねばならぬこと
   上手な財産の譲り方/遺言状を常備せよ 他
12. 楽老期をどう過すか
   老人の六癖七戒/いかなる最後を求めるか 他


                  

著者/本多静六氏について
1866年農家に生まれ、9才のとき父親が急死。苦学して東京農林学校卒業、ミュンヘン大学 留学を経て東京帝国大学教授となる。

 25才で人生計画を立て、貧しい学者生活の中から蓄財に励み、40才にして百億円余りの資産を築くも、60才でほとんどの財産を寄付する。
 百年の計で明治神宮の森を造り、日本初の林学博士にして、国立公園の生みの親といわれる。また、渋沢栄一、安田善次郎、後藤新平、諸井恒平ら当時のトップ実業家の顧問として活躍する。
 その堂々たる金銭哲学は、昭和27年没後も渡部昇一氏をはじめ多くの人を魅了してやまない。


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