経営計画・資金運用 まえがき
まえがき

 経営計画書を持っていない会社は数多い。また、持っていても、そしてそれが苦心の作ではあっても、計画書としての役割を、ごく僅かしか果していないものが大部分である。
 それは、一つには経営計画書とは何か、が理解されていないからであり、もう一つは作り方と使い方が分らないためであるといえよう。また、経営計画の本質をついた文献はないといってよく、特に大切な資金については、全くの未開拓分野とさえいえよう。
 私は、自分の職業柄、たくさんの経営計画の作成と、その実施についての経験をしてきた。
 経営計画が、事業経営に「不可欠」なものであり、社長自らを全く変えてしまうことも、しばしばであることも見てきている。事業経営全体を、これ程的確にとらえ、誤りない手をうつために役立つものもなければ、社員の動機づけとして、これ程有効なものはないことも痛感している。
 そして、さらに大切なことは、社長を日常の業務の指導から解放し、自らの会社の将来を考える時間を生みだすことを可能にするということである。
 右のような確証をふまえて、ここに経営計画の本質と役割、作り方、使い方などについて総合的解説を試みたものが本書である。読者諸兄の事業経営に役立つことを念じつつ、本書を刊行する次第である。

                   一倉 定     昭和50年12月
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