中小企業オーナー経営者の知恵袋が緊急提言!

ひと中心の経営へ

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著者 渡辺英幸(わたなべえいこう)
形態 A5判 (15CmX21Cm)本文574ページ
発行 2004年9月7日 ISBN4-89101-058-4
内容 目次と項目   まえがき
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「ひと中心の経営へ」まえがき

 私は本書で、「ひと中心」の経営が、儲けを生み出すのに最適であることを明らかにした。

 しかもそれは、日本の大企業ではなく中堅・中小企業のオーナー経営にこそ、その可能性が強くあることを述べている。

 一九四五年太平洋戦争が終結、日本の国土は灰燼に帰した。それから日本は、世界のひとが認める「奇跡の復興」を遂げたのである。ここにいたるまでに日本の会社の九○%以上を占める中小企業は、大企業のパートナーとして、また大企業とは係わりなく独自の分野を切り拓き国際的に活躍するようになって、日本経済に大きく貢献してきた。

 その中小企業の九○%以上が、オーナー経営なのである。
 私は、経営コンサルタントとして、多くのオーナー経営者の経営理念とその実践を目のあたりにしてきた。その結果として申しあげられることは、「経営者がおカネを追い求めて儲けを得ても、その会社は長続きしない」ことであり、「お客さまの満足を追い求めてきた会社は、儲かってしかも長続きする」ということである。

 ではおカネを追い求めない経営者は、儲けに淡泊なのか。
 とんでもない。儲けへの執着はひと一倍ある。だがその儲けは、お客さま満足の結果だという思いが確固たる信念になっているのである。これが永く儲け続けているオーナー経営者の共通点なのである。

 このオーナー自らの信念を実践することを「経営者の役割」と定め、「自社の役割」「関係各社の役割」「自社の各部門の役割」「個人の役割」に首尾一貫させ、全社をあげてお客さまのくらしに貢献し、永く儲け続ける。
 私はこれを「役割経営」といっている。

 「役割経営」は、係わるひとたちすべてが、オーナーの信念に共感・共鳴し、連帯・連携しながら、それぞれの役割を果たす「ひと中心の経営」そのものであり、決して「マネー中心」や「効率中心」では実践できない。

 このように言うと、「理念でメシが食えるか、いまの世の中、きれいごとで生きていける時代ではない」という声があがるだろうが、それは違う。こんにちは「理念なしでは会社が存続できない時代」なのである。近年続出した大企業から中小企業までの数々の不祥事をみていただきたい。マネーや効率を優先し、お客さまから見放された企業は消えてなくなっているではないか。

 オーナー経営者だからこそ、株主に気兼ねすることなく、自分の信念で経営できる。これからの中堅・中小企業のオーナー経営者は、この「役割経営」にこそ活路を求めるべきと、私は確信しているのである。

 もちろんオーナー経営者の意図する「役割経営」を推進するためには、そのための体系と仕組みがなければならない。また変転しつづける市場に合わせ、お客さまに歓迎される商品・サービスを絶えず創り出して提供し続けなければならない。

 そこで本書では、お客さまから選ばれる「差異づくり」と、それに係わるひとの扱い方として「役割人事」に焦点を合わせて述べた。

 この大転換の時代に、本書で展開した「ひと中心の役割経営」が、オーナー経営者のお役に少しでも立つことができれば、私のこの上ない仕合わせである。

 私は経営コンサルティングの仕事に入ってちょうど四○年目を迎えた。この節目のときに、本書を、私の四○年来の畏友牟田學氏(日本経営合理化協会理事長)のところから上梓いただくことに特別の感慨をいだいている。

 末尾になったが、本書は出版局長本間登美雄氏のお陰をもって出版までこぎ着けることができた。出版企画から十数年の歳月を経ている。遅筆の私への叱咤激励、そしてさまざまな支援がなかったなら、到底、陽の目を見ることにはならなかった。適切な謝辞がないほどである。

 またこれまで私と係わって下さった数多くの経営者と社員の方々に心から感謝申しあげたい。そして本書にご紹介することを許して下さった諸氏に厚く御礼申しあげる。なおホームページからの引用については、アドレスを附記させて頂いた。

 最後に、弊所松浦なつひ所員の労を謝す。
                                 

二○○四年五月吉
渡辺英幸
ひと中心の経営へ もくじ

 

まえがき

第一章 「ひと中心」に立ちかえれ

    1 「ひとの、ひとによる、ひとのため」の利益追求 
        「効率・マネー中心」から「ひと中心」へ/鬼手仏心の経営/
        不本意なひと

    2 経営の目的は人件費と利益の同時獲得にある 
        マネーは「ひと」が生み出す/経費は付加価値の前倒しである/
        企業活動の目的は「人件費」と「利益」の獲得にある

    3 大企業のアキレス腱 
        大企業は旧式の成功モデルで固まってしまった/
        管理部門優位という勘違い/社員の意識改革は容易ではない

    4 中小企業有利の時代がやってくる 
        中小企業の五つの強み/
        中小企業に経営のモデルチェンジのチャンスがやってきた/
        「消費者」ではなく「生活者」


第二章 「差異」を生む経営法

    1 経営の中心を「差異」づくりに切り換える
        経営者にまず要求されること/差異と差別/
        大いなる調和を目指して/
        「働く場」の差異づくり/同業者との連携の「場」づくり/
        「測定できないもの」の大事さ

    2 仕事場の「差異」づくり
        会社に「気」を持ち込む/ひとを思いやる心/挨拶の効用/
        四つの挨拶/ひとの話をきちんと聞く/合わせる文化/
        心のボードに書く/掃除で立ち直る/
        「思いやりのこころ」が生まれた/
        5Sを活かす社長と活かせない社長

    3 会社には個性がなくてはならない
        個性を活かす時代/個性的な経営者/個性的な会社/
        会社の「個性」は社長がつくる



第三章 お客さまに選ばれる「差異」づくり

    1 良品と反悪品をニッチ市場に提供する
        資生の業/不具合の修復ビジネス/反悪品(Anti-Bads)の魅力

    2 お役に立つことが「めしのタネ」
        金型製作の仕事を中国にとられて/業種転換をねらって/
        専務の猛反対/
        新たな出会い/新しいめしのタネ

    3 お客さまから選ばれる差異が利益を生む 
        なぜルイ・ヴィトンは売れるのか/経営差異の発生源/
        販売における差異づくり/東濃ひのきと木匠塾/
        お客さまの求める差異さがし/経営課題の在庫チェック



第四章 固有技術から利益を生み出す

    1 増収増益をつづける固有技術の優れもの
        差異を強める技術/固有技術をつける三つの視点

    2 固有技術の共有化が差異になる
        知恵の共有/暗黙知を明示知に/
        個々の経験を固有技術にまとめる

    3 モノづくりの過程で固有技術を積み上げる
        モノづくりの過程で技術の差異を積み重ねる/
        看護婦の苦労に目をつける/工場と工場の分岐点/
        「共創型工場」の時代/モノづくりの場をどう変えていくか



第五章 共創から利益を生み出す

    1 企業間のタテ関係が崩れだした
        タテ社会の風土/タテ割り組織が崩れだした/
        ヨコの同志的連携がはじまった/共創するための連携/
        一万社の町工場ネットワーク/共創による差異づくり

    2 連携する仕事を明確にせよ
        自社を顧客満足に直結する体制に変える/
        これからのタテ系列会社の進むべき方向/
        自主独立で世界を相手にできる経営タイプと連携/
        完成商品市場提供型と製造技術
        専業型/連携する相手は不変ではない/
        産・学・官の連携に目をつけよ

    3 共創がすでに始まっている
        製本会社がリーダーの共創連携/
        有限会社とNPOとの同志的連携/
        タイの現地企業と共創する



第六章 業績を伸ばす役割経営

    1 経営者の役割は何か
        役割賃金がなぜ注目され出したのか/役割を果たすということ/
        オーナーの経営理念/オーナー経営者の役割/
        経営者は「場」を提供するひとである/自社の役割を決める

    2 人事の中心に「役割」を置く
        カネと生き甲斐/業績をあげるための役割人事制度/
        ピラミッド型人事の制度疲労/
        自部門の目標達成だけでは不十分/
        中間管理職の役割が変わった/
        年功序列賃金の限界

    3 これからのフラット組織と四つの専門職集団
        すべての仕事を四つに分ける/経営専門職の役割/
        管理専門職の役割/専任専門職の役割/実践専門職の役割/
        会社の規模のちがいと四つの専門職群




  第七章 役割賃金の決め方

    1 役割グレードの自社に合った決め方
        役割を果たす職能の違いを等級で示す/
        K社の役割職能等級の決め方/
        各職能等級の水準(level=レベル)を決める/
        職務と職掌について/
        役割人事制度で求められる「職能」

    2 役割をどう果たしたか評価する
        役割を評価するポイント/協働先の役割評価/
        各組織単位の役割評価/四つの専門職の役割評価

    3 個人の役割をどう果たしたか評価する
        専門職の業績等の評価/役割職能開発の評価/勤務行動評価

    4 役割賃金の決め方
        これまでの定期昇給と絶縁する役割賃金制度/
        賃金総額の決め方/A社の人件費総額の決め方/
        役割賃金の体系/役割基本給の決め方/
        定期昇給とベースアップ/賞与の決め方/初任給の決め方/
        役割人事・賃金制度を運用するポイント
      


第八章 経営ルネサンス

    1 管理なくして繁栄なし
        商売と経営/儲けが出るように「管理」する/管理ルネサンスの時代

    2 個人が希望する役割と会社の求める役割のすり合わせ
        変質劣化した目標管理制度/役割経営での目標管理制度/
        個人の希望と会社の希望のすり合わせ

    3 協働のための組織のヨコ管理
        組織管理の三段階/ピラミッド組織管理から役割管理へ

    4 カネの切れ目は“運”の切れ目
        銀行調達から連携調達へ/グループ金融/
        神戸コミュニティ・クレジットの融資の仕組み/少人数私募債/
        少人数私募債による同志的連携/
        K社の少人数私募債による経営革新

    5 会社を継ぐことは生命を継ぐこと
        会社の生命を継ぐ/自社&自己年表の作り方/
        経営理念の中身を伝える/
        ライバルとパートナー/自分史をみつめる/あとがきにかえて

        著者紹介

「ひと中心の経営へ」本体概要
●中小企業オーナー経営者の「知恵袋」として、多くの優秀会社を
 育ててきた名参謀が、儲けを生み出す《共創と協働》をキーワードに
 40年の全体験を、新たな収益モデルに集約

●《強くて良い会社》はひと中心の経営からしか生まれない。
 アメリカ的なマネー・効率最優先の風潮で、ズタズタになってしまった
 社員の働く喜びや顧客への親切心を一刻も早く自社に取り戻せ…
●マネーも効率も人が生み出す以上、儲けにつなげる「共創と協働」、
 ひと中心の「役割経営」とお客さまに選ばれる「差異づくり」こそ、中小
 企業経営者が率先して導入すべき21世紀の新収益モデルと提唱。
   ●本文総ページ数574ページ
   ●本体サイズ A5判(15Cmm×21Cmm) 上製本・箱付き
●皮革携帯版について
机上版と全く同じ内容で、本文用紙に特薄の高級紙を、表紙に
本皮革を用いた特装携帯版。

多忙な社長様が出張先に持ち歩けると大好評です。

A5判・本文574頁・函付

「ひと中心の経営へ」著者について
著者 渡辺英幸(わたなべえいこう)氏について

 企業経営における「ひと」の役割を、四○年間にわたり追究してきた信念のコンサルタント。

 「利益はひとが生みだすもの」であり、「ひと」を経営の中心においた「役割経営」をはやくから提唱し、近年の効率中心・マネー至上主義の経営と明確に一線を画している。

 一九六四年光文社カッパブックス副編集長のとき、経営コンサルタントの草分け的存在であった田中要人氏に請われて(株)会社業務研究所に入社、以来つねに第一線で経営診断・業務改革にあたる。

 その間多くのオーナー経営者をはじめ、ときには経営者の家族・後継者・幹部のさまざまな相談にのり、膝突き合わせて深夜まで解決策を練り、顧問会社の堅実な成長を側面から強く支え続けてきた。

 これまで化学薬品メーカー、外食サービス業、住宅建築業、医療器メーカー、金型メーカー、食品メーカー、航空運輸業、機械部品販社その他の経営支援に長年係わり、経営者から絶大な信頼を集めている。

 主な著書に「社長・重役の実践経営学」「管理者の役割と実務」「会社の病気」「総務が変われば会社は伸びる」「総務部長マニュアル」等多数。本書は、これまでの主張を集約した三五冊目となる。

 一九三五年東京都生まれ、一九六○年早稲田大学卒業。現在(株)会社業務研究所代表取締役。


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