福澤諭吉没後100年記念出版
     
世紀をつらぬく名著、現代語訳でよみがえる!

福翁百話(ふくおうひゃくわ)

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著者 福澤諭吉・監修 福澤 武・解説 清水龍瑩
形態 A5判(15CmX21Cm)本文460ページ
発行 2001年2月19日  ISBN4-89101-017-7
内容 目次と項目   本書のまえがき
   
  明治維新後の時代の大変化をつぶさに見通し、近代日本の進むべき道を示した不朽の名著。全篇にみなぎる希望に満ちた未来展望と深い人間洞察。ものの考え方、大局のつかみ方、処世術、金儲けの意義など「100の卓見」

   
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「福翁百話」監修のことば   福澤 武氏
 
 監修のことば


 20
世紀から21世紀へという暦上の大きな節目に、わが国は「第三の開国」と言われる大転換期にある。
 「第一の開国」は明治維新であり、「第二の開国」は太平洋戦争で敗戦国となった日本の再出発をさし、そして激動の現在が「第三の開国」である。

 私がこの第三の開国という言葉を初めて聞いたのは1996年1月、慶応義塾の石川忠雄前塾長からであった。

そのとき石川前塾長は次のように言われた。「第一、第二の開国期は、世の中の激変が誰の目にも明らかであったので、日本人は危機感を持ったと思う。しかし第三の開国の今、世の中の大変動がはっきり見えているわけではない。したがって、日本人は危機感を欠いている」。 今や日本が大変革期の真只中にいることは誰の目にも明らかである。危機感が広まってきたとはいえ、まだ充分とは思えない。

そのようなときに、第一の開国期に日本の進路を示した福澤諭吉の晩年の著書「福翁百話」を現代語に訳して発刊することになり、その監修を諭吉の曾孫である私がお引き受けすることになったのも、めぐり合わせとでも言うべきであろう。

 序文にもあるとおり、「福翁百話」は、諭吉を訪れたさまざまな客人と交わした会話の覚え書きとして発刊され、大変な反響を呼び、多くの人に読まれてきたロングセラーだった。
内容は、物の見方、考え方から処世術、事業経営や家族・男女関係にいたるまで幅広く、時代の転換期の行動原理としてわかりやすく説いている。

 本書の原文と照らしながら訳文の監修を進めるうちに、立場を忘れ、私自身が曾祖父の卓見に叱咤激励されているかのように思ったこともしばしばだった。
 そして、全編に漲る文明の進歩についての確信、未来に対する希望に充ちた展望に、今日、55年体制が崩壊し、日本新生に苦しんでいる日本人が、21世紀を正しく洞察するためにも、諭吉の思想を現在の人々に一人でも多く知っていただきたいと、いつしか使命感のようなものまで感じていた。

 そこで現代の人々に少しでも読みやすくなるように、原書とは話の配列を変え、「福翁百話」とその後に出版された「福翁百餘話」に収録された計119話の中から百話を選び、現代人の行動指針として新たに一冊にまとめた。

  「中略」

 かくなるうえは、本書が一人でも多くの方々のお役に立つことを祈念するのみである。
  
                                      

2001年 立春
   福澤 武
   
「福翁百話」もくじ
 
まえがき

「福翁百話」と続刊「福翁百餘話」に収録された全119話より100話を選び、5つの章を新たに設けてテーマ毎に分類収録し、現代口語訳しております。

1 思想・人生観
 
大変革を前向きにとらえる視点=希望に満ちた未来展望と大局観

第1話 宇宙 第2話 天工 第3話 天道人に可なり 第4話 前途の望み 第5話 因果応報 第6話 謝恩の一念 第7話 人間の安心 第8話 人間の心は広大無辺なり 第9話 人間の運・不運 第10話 事物を軽くみてはじめて活発なるを得る  第11話 熱心は深くつつしむべし 第12話 自得自省 第13話 造化と争う 第14話 衣食足てなお足らず 第15話 有形界の改進 第16話 改革すべきものはなはだ多し 第17話 至善を想像して 第18話 貧富苦楽の循環 第19話 古物の真相 第20話 古人必ずしも絶倫ならず 第21話 善心は美を愛するの情に 第22話 人を善くみると悪しくみると 第23話 善は易くして悪は難し 第24話 思想の中庸 第25話 人事に絶対の美なし 他

2 処世術・人間関係
 深い人間洞察から、人の上に立つ者の生き方を説く

第26話 人間社会おのずから義務あり 第27話 人事むずかしと覚悟すべし 第28話 善悪の標準は人の好悪によって決まる 第29話 人に交わるの法やすからず 第30話 一言一行おなざりにすべからず 第31話 禍福の発動機 第32話 処世の勇気 第33話 察々の明は交際の法にあらず 第34話 智愚強弱の異なるは 第35話 不行き届きもまた愛嬌の一端 第36話 細々謹慎すべし 第37話 知恵は小出しにすべし 第38話 交際もまた小出しにすべし 第39話 恵与は人のためならず 第40話 慈善は人の不幸を救うにあるのみ 第41話 慈善に二様の別あり 第42話 事業に信用の必要 第43話 富者安心の点 第44話 富豪の永続 第45話 富者必ずしも快楽多からず 第46話 情欲は到底制止すべからず 第47話 正直は田舎者の特性にあらず 第48話 人間の三種三等 第50話 大人の人見知り 第53話 人生名誉の権利 他  

3 学問・教育
 新しい文明を生み出す精神と実学のすすめ

第55話 人事に学問の思想を要す 第56話 実学の必要 第57話 人心転換の機会 第58話 高尚の理は卑近のところにあり 第59話 博識は雅俗ともに博識なるべし 第60話 士流学者また淫惑を免れず 第61話 空想は実効の元祖なり 第62話 物理学 第63話 霊怪必ずしもとがむるに足りず 第64話 教育の力は 第65話 教育の功徳は 第66話 教育の過度恐れるに足りず 第67話止むことなくんば他人に託す 他

4 夫婦・家族・健康
 新しい男女関係と家族のあり方・健康

第69話 一夫一婦偕老同穴 第70話 家族団らん 第71話 文明の家庭は親友の集合なり 第72話 苦楽の公益 第73話 夫婦の間敬意なかるべからず 第74話 早婚必ずしも害あるにあらず 第75話 子に対して多を求めるなかれ 第76話 子として家産に依頼すべからず 第77話身体の発育こそ  第78話 男尊女卑の弊はもっぱら外形にある者多し 第80話 女性の愛情 第81話 生理学の大事 第82話 無学の不幸 第84話 空気は飲食より大切なり 第85話 形態と精神の関係 他

5 自立・政治・国家
 世紀をつらぬく自主独立の思想

第86話 人生の独立 第87話 独立の法 第88話 世話の字の義を誤るなかれ 第89話 独立はわれにありて存す 第90話 独立の根気 第91話 独立者の用心 第92話 大節に望んでは親子関係も会釈に及ばず 第93話 国はただ前進すべきのみ 第94話 政府は国民の公心を 第95話 富豪の経営は自ずから立国の必要なり 第96話 国民の秘産は第97話 言論直自由ならざる 第98話 政論 第99話 史論 第100話 立国 他

解説

著者/福澤諭吉(ふくざわゆきち)氏について
 
 
 明治維新の英傑のひとり。近代日本の進むべき道を明示し西洋文明の導入と日本的資本主義発展の思想的な主柱となった。
 1834年中津藩の下級武士の次男に生まれ、緒方洪庵に蘭学を、独学で英語を身につけ、60年通訳として咸臨丸で初渡米。幕末三度の洋行体験をもとに「西洋事情」を発刊するや驚異的なベストセラーとなり、徳川慶喜、西郷隆盛など当時のリーダー達に強い影響を与え、日本開国の優れた水先案内人となる。68年慶應義塾を創設。個人や国家の「独立自尊」と実利実益にもとづく「実学」を提唱、わが国近代化に大きく貢献。再三の明治政府の参画要請を固辞し、生涯、在野精神を貫い
た「雄才大略」の人。「福翁百話」は、97年諭吉64才のときに発刊。当時の超ロングセラーとなる。1901年2月、20世紀の到来を見届けて長逝。
監修者:福澤 武(ふくざわたけし)氏について

1932年東京生まれ。61年慶応義塾大学卒。94年三菱地所社長に就任、現在に至る。21世紀の街づくり百年の計を提唱し、国際都市東京の中心「丸の内」の活性化を推進。福澤諭吉翁は氏の曾祖父にあたる。著書「丸の内経済学」

解説者:清水龍瑩(しみずりゅうえい)氏について
わが国経営学の実証研究の第一人者。諭吉の実学を実践。1928年東京生まれ。慶応義塾大学卒。同大学商学部教授、学部長を歴任、現在名誉教授。東京国際大学教授。著書に「社長業の鉄則」小社刊はじめ、「経営者能力論」等

 

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