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中村天風 成功の実現

百億円企業を築いた《片目で両腕のない経営者》の挑戦と壮絶な生き様

執念の経営

「何のために事業をするか」「限りある命をいかに使うか」…本書は、10歳で右目失明、17歳の大事故で両腕を失いながら、道内屈指のクリーニング業・光生舎を築いた高江常男氏が語った壮絶な半生記と、献身的に支えた妻、経営理念を継いだ子息の貴重な手記を通して、経営における「理念」の真髄と、社長業の本質を浮き彫りにした異色の書。
著者 高江常男(たかえつねお)
解説:作間信司(さくましんじ)
形態 A5判 (15cmX21cm)本文426ページ
発行 2010年10月5日
ISBN 978-4-89101-276-2

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本書の概要

  書籍イメージ
  • 片目失明、両腕切断…重度の障害を負いながら北海道の過疎の町で起業─逆境から百億円企業を築いた、不屈の経営者を支え続けた《力の根源》とは何か…。
  • 本書は、十歳で右目失明、十七歳の大事故で両腕を失いながら、北海道の過疎の町で裸一貫、起業。幾多の困難を乗り越えて、道内利益bPのクリーニング業・光生舎を築いた高江常男氏が語った壮絶な半生記と、献身的に支えた妻、経営理念を継いだ子息の貴重な手記を通して、経営における「理念」の真髄と、社長業の本質を浮き彫りにした異色の書。
  • 「何のために事業をするのか、限りある命をいかに使うか」「経営者として、夫として、父として、いかに悔いなく人生を生きるか」…、全編にわたって、血湧きたち、魂がゆさぶられる、他に類のない感動の書!

目次

 
巻頭の辞 〜まえがきにかえて

序  永く繁栄する企業の根源とは 〜 [経営コンサルタント]作間信司   

《 第一編 》 執念の経営  〜高江常男の壮絶な生き様と挑戦

第1章 両腕切断、絶望の淵より立ち上がる
両腕切断/名医に救われた命/変わり果てる時/暗黒からの再起/口で字を書くことを覚える/三時間睡眠の励行/口にペンを咥えた新聞記者/福祉事業に開眼、湧き始めた使命感と生きる希望

第2章 生涯を掛ける事業に開眼、立志の炎が灯り始める
妻との出逢い/身障福祉への目覚め/前哨戦/太く短く生きる

第3章 結婚と起業、二つの大きな転機を迎える
企業授産論/選んだのはクリーニング業/救いの神/融資を決める労金本店審査会/万事休す!

第4章 多くの協力者を得て、苦闘の創業期を乗り切る
念願の社会福祉法人格取得/常識外の多額融資/試行錯誤の創業期/猪突猛進の営業戦略

第5章 総工費六十億円、前人未到の一大事業に挑む
ユートピア建設の野望/二つの暗示/夢物語の実現を目指して/大都市・札幌への進出/十万坪の土地買収作戦

第6章 無念! 理想郷づくりの夢、破れる
ライバルとの闘い/新規事業の御破算と思わぬ拾い物/運気乱気流を切り抜ける/高利貸に手を出すな!/道庁への陳情/経営安定五カ年計画/不調に終わった金融機関と道の話し合い/解決への突破口

第7章 不屈の闘い、最後までやり抜く人間に必ず道は拓ける
急転直下、解決へ/四万坪を手放す/給料の延配は絶対にしない/リハビリーは一段落、次は光生舎/舎員に宛てた檄文/人生を振り返って/生きて良かった/高野山詣で/障害者人生への感謝を込めて

《 第二編 》 理念を伝え継承する

第8章 理念を支える 〜妻の思い  高江美穂子より
亡くなった夫へ/両腕のない男との結婚/遠慮のない夫婦になるまで/光が生まれるような施設に/人材育成は厳しく、愛情深く/夫の夢/寮長を任されて/子どもと孫に囲まれて/夫の死/かけがえのない人/温かい海へ

第9章 理念に従う 〜従業員への教え  光生舎従業員より
従業員への教え@「職場は常にきれいにしろ」/A「現場第一主義」/B「仕事は百点満点で当たり前だと思え」/C「仕事しすぎて死んだやつはいない」/D「目的ある道は拓ける」/E「闘うからには勝たねばならぬ」/F「創業理念は、永遠に生き続ける」

第10章 理念を継ぐ 〜後継者の決意 高江智和理より
最初の仕事は完全週休二日制の実施/父から教わった「会社を絶対に潰さない鉄則」/創業の理念をどう伝えていくか/経営のすべては社長の責任/後継者にとって理念とは経営のモノサシ

《 第三編 》 経営理念をいかに実現するか 〜解説 [経営コンサルタント] 作間信司 

    経営理念は我が社最大の財産
    理念は四層構造で立体的に考える
    【経営理念の四層構造─@個の志】
    【経営理念の四層構造─A経営目的】
    【経営理念の四層構造─B経営方針】
    【経営理念の四層構造─C行動規範】
    よい金太郎飴社員をつくる四つの仕掛け
    自律の覚悟/慢心を自らコントロールする
    「正しい」経営理念の見直し方と「会社を潰す」変え方

 

    著者紹介

巻頭の辞 〜まえがきにかえて

 どのような生命体にも、中心軸が絶対になければならない。
 中心軸がブレるとバランスを欠き、生命の危険さえ招きかねないからだ。天空は北極星が中心であり、人間の体には背骨がある。もちろん中心軸は目に見えるものとは限らない。人間が創った「会社という生命体」もそうだ。 

 ところで、一九九〇年のバブル崩壊以来、すっかり「日本的経営の良さ」に自信をなくした社長の多くが、「マネー第一」というアメリカ流の資本主義経営にのめりこんでいった。そして二十年を経た今、デリバティブという妖怪が全世界を金融危機に陥れ、ごく一部の億万長者が誕生すると同時に、多くの失業や貧困を生み出している。

 「何のための経営か、分からない」─そういう世界のゆがみを見るにつけ、つねづね違和感を覚えていたが、明確な答えも出ないまま悶々としていた。そんな折、日頃大変お世話になっている経営コンサルタントの井上和弘先生のブログを拝読していた私の目に、「私の人生を決定づけた出会い」というタイトルで、「高江常男」という経営者の名が飛び込んできた。

  高江常男さんは、幼少期に右目を失明し、十七歳の時、電気事故で両腕を切断しながら、自分と同じ立場の障害者に、何とか働く場を提供し、自立して生きる誇りを与えたいという理念で裸一貫クリーニング業を興し、「障害者に何ができる」という偏見をはねのけて、見事、百億円企業・光生舎を築いた方だという。井上先生は三十歳の頃に高江さんの講演を聴き、その日から人生観、仕事観、勤労観がガラッと変わり、自分の信念を貫き猪突猛進に生きようと決心されたそうだ。

  通常の会社であっても、十年経てば七割以上が倒産する。二十年経って残っているのはほんの数%、まして障害者だけが集まって会社を創って、ここまで伸びるというのは、ほとんど奇跡に等しいのではないか。しかも、光生舎がある北海道の赤平はかつて炭坑の町として栄えていたが、今では人口一万三千人を切る過疎の町である。

 人口一万人の町で千名が集う企業体の礎を築いた経営手腕と情熱、行動力、そして何より不屈の事業家魂をもった高江常男さんとはどんな方なのか。猛烈な興味を抱いた私は、札幌で事業を営んでおられる和島社長という友人に頼み込んで、一般書店では手に入らない高江さんの半生を綴った著書を送っていただいた。

 一読するや、世の中にこんな素晴らしい社長がいたのかと胸が熱くなった。居ても立ってもいられない想いで光生舎を訪ねたところ、残念ながら高江さんは二〇〇七年に八十歳で天寿を全うされていたが、高江さんの志を引き継いで現在光生舎を率いておられるご子息と、高江さんを支え続けた奥様に面会し、クリーニング工場で一所懸命に働く従業員の方々の笑顔を拝見するうちに、私が抱いていた「積年の迷い」が一気に晴れていった。

 やはり経営の根幹には、「創業の想い」「何のために事業をするのか」がなければならない。それが会社の中心軸となっているからこそ、「そのために社長がやるべき仕事は何か」がブレることなく、大事を成しえることができるのだ。

 「経営の目的」「経営の理念」という中心軸がない金儲けは、社長の思考や行動、ひいては組織全体のバランスを欠き、必ずいつかは破綻する。要するに、出発点はたった一人の人間の狂気にも似た執念、生き方そのものが一番大事であり、「利益」「マネー」は理念実現のための重要な要素であるが、それ自体が中心軸にはなり得ないという確信が持てたのである。

 それと同時に、永く繁栄する企業の経営理念というのは、仏教の教えである「自行化他」が本来であろうという確信も得ることができた。

 「自行」とは自らのための仏道修行という意味で、さらにその得たところをもって他を教化することと一般的な解釈にはあり、その深遠な教義は門外漢の私には分からないが、人間の強さは「人のためにがんばる」ことから生まれ、その他人にもがんばってもらうためには、自らが他人の二倍、三倍努力する姿勢が他人を教化すると、手前勝手に解釈している。

 すなわち、高江さんが全人生を賭けた経営理念とは、「障害者の真の自立」「北海道を障害者のユートピアに」という利他のものであったからこそ、誰もが不可能と思う無謀な夢の実現に突き進み、ついには北海道でトップクラスのシェアを誇るナンバーワン企業を築くことができたのであろう。

 そして、高江さん自身が、誰かの庇護のもとに一生を生きるのではなく、多くの他人の幸せを実現するために自立して生きることの素晴らしさを身をもって示し続けることによって、光生舎で働く社員もまた、一丸となって苦闘を乗り越えられた。事実、高江さんの奥様によれば、高江さんは「人間は心次第」という言葉を自らの出発点とし、それを新入社員が入ってくるたびに、必ず一人一人に語りかけていたそうだ。

 というのも、高江さんが障害者となったのはまだ福祉という言葉もない頃で、労災もなく、怪我をしても何の補償もなかった時代に、自分が強くなっていくしか生きる道がなかった。それで、手が無くてもできる仕事は何かと考えて小説家になろうと思い立ち、字を書く練習を始めるのだが、一文字書くのに一カ月近くかかったという。

 口に筆をくわえようとしてかじれば外れる、またくわえようとしてはかじり、またはずれる。その繰り返しでなかなかうまくいかなかった…という話を障害のある社員に語りかける高江さんの言葉には、経験者だけがもつ重みがあり、高江さんにしかできない障害者に対する思いやりと励ましだったと奥様は語っておられた。

 人間は本当に強い。その一方で同じ人間がこんなにも弱いものかと思われる一面も併せ持っている。すべては心、すなわち自らを貫く中心軸にどんな思いをもっているかであろう。そして、その思いが利他であればあるほど、人はがんばれる。 

 この「人間としての本来の姿勢」を、高江さんが歩んでこられた経営実践から汲み取っていただきたい。そして、高江さんの経営理念が親から子へ継承されていく様を通して、自らの経営理念を改めて見つめ直し、決してブレることのない中心軸をより一層固めて欲しい。そういう願いを込めて、これまで公にされてこなかった高江常男さんの半生記を、ご子息にお願いして、やっと出版させていただくこととなった。

 本書が、一人でも多くの社長に、勇気と自信を掴み取る一助となれば幸いである。そして、出版にいたるまでの数多くのご縁とご協力をいただいた皆様に感謝いたします。

 平成22年九月吉日


日本経営合理化協会 [主席コンサルタント] 作間信司 

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皮革版 在庫→ 有 12,600円(税込) 11,130円(税込)
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