一倉社長学全集
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中村天風成功哲学シリーズ

一度しかない人生を生き甲斐あるものにする〈仏教70の教え〉

幸福な生き方

 道元の教えから仏教の真髄を説く西嶋老師が、〈自暴自棄〉〈苦しみ〉〈迷い〉〈欲望〉〈病い〉〈宿命〉〈原因結果〉〈こだわり〉〈直感〉〈忍耐〉〈決断〉〈生き死に〉〈善悪〉等、70項目に及ぶ人生問題をわかりやすく解き明かし、健康で心豊かに生きるための「心のあり方」と「体の整え方」を明快に示す書。

著者 西嶋和夫(にしじまかずお)
形態 A5判 (15cmX21cm)本文436ページ
発行 2010年12月24日
ISBN 978-4-89101-292-2

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本書を推薦します

  • 「道元の教えはくめども尽きない」
    元首相 中曽根 康弘 氏
    私が激務の首相時代を健康でまっとうできたのは、坐禅のお陰です。坐禅をすると、不思議と肉体的疲労と精神的苦悩が洗い落とされるのです。同時に、道元の教えはくめども尽きぬ泉のようで、何度読み返しても新たな発見があり、まさに座右の書に値するものです。 本書は、道元の思想および坐禅の入門書として最適です。経営者のみなさんにお薦めしたい。

  • 「二度とない人生をいかに生きるべきか」
    SBIホールディングス(株)CEO 北尾 吉孝 氏
    洋の東西を問わず、名将と呼ばれる人はみんな人間学の泰斗である。とくに今のような危機の中では、一人の人間として、いかに揺るがない精神と思想をもっているかが問われる。
      本書は、人間学の根本命題「二度とない人生をいかに生きるべきか」を道元の教えからわかりやすく説き明かしている。 本書がすすめるように、坐禅をしながら読み進めば、道元の教えを自分のものとすることができるだろう。

  • 「経営者は心と体のバランスが大切」
    (株)井田両国堂 社長 井田 隆雄 氏
    当社は、西嶋先生のご指導のもと、坐禅を社員教育に取り入れました。その結果、落ち着いた気持ちで、しかもイキイキと仕事をする社員が増えました。
      私自身も坐禅を続けてみて、つくづく心と体の正しいバランスが、会社経営をする上でも個人の生き方でも、大切であると痛感します。本書は仏教入門書として最良の書です。とくに仕事で緊張を強いられる経営者の方に、本書をお薦めします。必ずや、仕事に人生に良い変化が得られるでしょう。

本書の概要

孫子の兵法 社長が経営に活かす70の実務と戦略 書籍イメージ 書籍イメージ
  • 人間が健康で幸福に生きるための〈釈尊・道元〉70の教え
  • 人生の苦難を乗り越えて、堂々と自分がやりたいことをやるための〈心のもち方〉と〈体の整え方〉をわかりやすく説く。
  • これまでの解釈を覆す、欲望も現実も肯定する仏教の智恵と、坐禅による身心統一のやり方を解説する、異色の書。

目次

まえがき 

序 章 仏教との出会い ──この世の真実を求めて

      この世の真実を求めて/太平洋戦争が勃発、満州へ/
      戦後、金融の世界へ/左遷と坐禅/
      名誉や利得は人生の目的にはならない/在家のまま出家

《 第一編 》 釈尊・道元の教え七十選

    一、苦しみの正体
       自暴自棄/苦しみ/病いと健康/辛抱・忍耐/言葉/
       頭の世界/理論・理屈

    二、人間の値打ち
       迷信・超能力/宿命・占い/霊魂と輪廻/ごまかされない/
       比較と評価/名利を離れる/人間の値打ち

    三、欲望とこだわり
       習慣/飲酒/自慢・悪口/こだわりと迷い/
       欲望と愛欲/レッテルを貼る

    四、原因と結果
       原因結果/環境と境遇/努力

    五、正しさとは
       不正行為/正しさ/中道

    六、幸福に生きる
       堂々と生きる/気にしない/クヨクヨしない/逃げない/
       行動の世界/善悪/体を整える/決断/救い/
       幸福ついて/日常生活/自分をつかむ

七、時間と人生
      時間/現在の瞬間/諸行無常/刹那生滅の道理/
      人生の意味/複雑な人生/人生の目標/生き死に/
      今を生き抜く

    八、仏教と無
       宗教/仏と神/懺悔/礼拝/布施/口のきき方/
       観世音菩薩/無・無我/無念無想/空と無/供養

    九、坐禅の世界
       坐禅の世界/仏道修行/悟り/直感力・判断力/
       感情のコントロール/自律神経のバランス/身心一如

    十、現実の肯定
       現実の世界/現実の肯定/四諦の教え/道元禅師/
       正法眼蔵

《 第二編 》 人生、何を信じて生きるか

    一、人間が正しく幸福に生きるには
       正しい原則に従う人や企業は栄える/本来の仏教の教え/
       宗教は果たして必要か/宗教とは何か/三種類の宗教

     二、釈尊の大切な教え
      〔一〕四諦論
        釈尊が一番はじめに説かれた教え
         (1)「苦諦」…願望や理想を尊重する思想
         (2)「集諦」…物質を尊重する思想
         (3)「滅諦」…行動を尊重する思想
         (4)「道諦」…行動と正しさが一致した状態
        四諦論で現実の世界を説明できる

      〔二〕因果の理法
        原因と結果の関係

      〔三〕刹那生滅の道理
        仏教は人間の自由を認める思想

      〔四〕菩提心
        まず疑ってみる

     三、坐禅とは何か
       坐禅は何の役に立つか/坐禅から得られる「直感」/
       人生も経営もバランスが大事/
       百尺の竿の上から思い切って一歩を踏み出す

《 第三編 》 坐禅のやり方

    一、坐禅をするために必要なもの
       (一)坐禅をする場所/(二)坐蒲/(三)坐物

     二、坐り方
       (一)坐蒲の使い方/
       (二)足の組み方/(1)半跏趺坐/(2)結跏趺坐

     三、手の組み方

     四、姿勢のととのえ方

     五、口の保ち方

     六、眼の保ち方

     七、坐禅の開始

     八、坐禅の効果

     九、坐禅の終了

巻末資料「普観坐禅儀」現代語訳
       道元禅師の開教宣言/『普観坐禅儀』(現代語訳)

 
 

まえがき

 人生を生きていくうえで、幸福を願わない人はおりません。
  しかし、人間の幸福とはどのようなものかと問われると、人によってお金だ、名誉だ、健康だ、というように、答えは千差万別です。どうして答えが人それぞれなのかというと、この問いは、人間にとっての絶対の真理を問うものであり、たいへんな難問であるからです。

  そういう意味では、わたしたち人間は地球上に存在して以来、ずっとその答えを求め続けてきたといっても過言ではありません。それは、二千数百年前にインドで生まれた釈尊も、一生をかけてその答えを追究されたわけです。

  釈尊は八十歳になられる頃に、ある旅の途中で一人の信者から供養を受けた食べ物が原因で激しい下痢を起こされて亡くなられました。いよいよ釈尊の息が絶えようとしているときに、釈尊の身近でお世話していたアーナンダ(阿難陀)という若い弟子が「私はまだあなたから十分な教えをいただいていません。それなのに、あなたが亡くなったら私はどうすればいいのでしょうか」と言って、とても悲しんで泣いたという話が伝えられています。

  そのとき釈尊は、「私が死んだ後も二つのものを頼りに生きなさい。一つは〈自分自身〉、もう一つは〈法〉」と答えたと言われています。「法」というのは「釈尊の教え」という意味もありますが、ここでは「現実の世界」という意味にとったほうがいいでしょう。つまり、釈尊は死の床で泣き悲しんでいる弟子アーナンダに向かって「〈自分自身〉と〈現実の世界〉を頼りにして生きなさい」と教えられたのです。このことは人間の幸福を考える上でとても大切な意味を含んでいます。

  多くの人が誤解していることに、仏教はあの世で人間が成仏することを説くものと理解されていますが、実は釈尊は人間が死んだあとのことは説いておられません。あくまでも、生きているあいだは主体性を大事にして、各人が個人の責任において人生を生きなければならないということをお説きになったのです。

  また、釈尊はお生まれになったときに「天上天下唯我独尊()」と言われたと伝えられていますが、神でなく人間であった釈尊がいくら天才的な頭脳の持ち主だったとはいえ、生まれてすぐにそのようなことをおっしゃったとは信じがたい。そうではなく、この言葉は釈尊の教えを凝縮したものと理解すれば、「天上天下唯我独尊」とは「自分はこの果てしない宇宙の中でたった一人しかいない。だから、自分に自信をもって生きよ」という、釈尊の教えなのです。

  言い換えれば、「人からどう言われようがやる!」という意気込みで、自分の人生を一所懸命磨き上げないと生きた甲斐がないということです。これは男の人でも女の人でも同じです。

  他人の様子を見ながら、人が褒めるからやろうとか、人に悪口を言われそうだからやめようというふうな生き方は、つまらない話で、そういう生き方をすれば、自分の人生がなくなってしまいます。だから、自分だけの人生の道を見つけることが、幸福な生き方なのです。

  世間では、仲間はずれになりたくないので、端の様子を見ながら、ウロウロと主流にくっついていくという生き方が普通ですが、そういう生き方では生きていてもつまらない。せっかく人間として生まれてきたのだから、「俺はこれで行くんだ」「私の道はこれなんだ」という自信をもって、堂々と生きるべきであるというのが釈尊の教えなのです。

  ここでひとつ大事なことは、幸福な生き方とは、心のもち方だけの問題ではないということです。そもそも、人間というのは心と体が一つになっていないと行動できません。心の中で、いくら「俺はこれをやりたい」「私はこうしたい」と強く思っても、心と体が一つになっていなければ、現実に体が動かない。そのことに釈尊が二千数百年前に気づかれたのです。

  ですから、人生において自分がやりたいと思うことができるようになるためには、心と体をバランスさせる必要があるのです。そのために「坐禅」という修行法があるのです。

  坐禅とは、富士登山にたとえると、麓から一歩一歩登るのではなく、ヘリコプターに乗っていっぺんに富士山の頂上に行ってしまうことです。つまり、一瞬のうちに真実に到達する方法なのです。

  坐禅がそのような心身統一のための画期的な方法であったために、理屈を一つ一つ積み上げていく西洋思想ではどうにも説明がつかず、それが仏教思想が誤って解釈されることになったのですが、いずれにせよ、この世の絶対の真理に気づかれたのが釈尊なのです。

  本書は、釈尊の本当の教えを中国で学んで日本に伝えられた道元禅師の『正法眼蔵』の中から、わたしたちの人生問題を解き明かすキーワードを七十項目選び出し、仏教の見方から、人間の幸福な生き方を述べていきます。本来、仏教は心の安定を説くだけでなく、体の安定も重視するので、できれば、みなさんの生活の中に坐禅を取り入れていただきたい。そして、坐禅とともに幸福な人生を歩まれる方が一人でも増えるならば、私にとってこれ以上の喜びはありません。

  2010年11月吉日


西嶋 和夫

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